「保留選手名簿にクローザーのマクガフの名前がなかったんです」(スポーツ紙記者)
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保留選手名簿とは、来季も契約する方向でいる選手名を記したもの。11月30日がNPBへの提出期限となっており(公表は12月2日)、「マクガフの名前がないこと」を聞きつけた一部メディアがヤクルト球団に確認。球団側は
「本人の希望で、メジャーリーグに再挑戦することになりました。年齢的にもラストチャンス、本人の希望を後押ししようという結論に至りました」
と、打ち明けたのである。
対応した球団幹部の“淡々とした口調”から、それなりの時間を掛けて話し合ったことが窺えた。
「オスナを始め、多くのヤクルトナインが応援のコメントを出しています」(前出・同)
“予定事項”、高津監督はもちろんだが、複数の選手が相談を受けていたのだろう。
もっとも、10月30日に日本シリーズを終えた時、マクガフは「悔しい」のコメントを連呼していた。同31日に帰国する際も、「来年こそ日本一になれるように頑張ります」とのコメントを出している。
この2日間のコメントで、「マクガフ=残留」と各メディアは決めつけてしまったわけだ。
「日本シリーズを振り返ると、マクガフがキーマンになっていました。ヤクルトの勝利で始まった日本シリーズの流れが完全に変わったのは、第5戦。1点リードで迎えた9回裏、マクガフが救援に失敗し、逆転負けを喫しました。この悔しさを来季にぶつけてくると思ったんですが」(スポーツ紙記者)
だが、11月24日のことだ。マクガフ加入前、クローザーを務めていた石山泰稚が契約更改に臨み、その会見で“守護神奪回”も宣言した。この時点では来季に懸ける意気込みと解釈されたが、高津監督は一度決めたらテコでも動かない人である。先の日本シリーズでの救援失敗後もマクガフへの信頼を語り、よほどのことがない限り、選手の配置転換はしないタイプだ。
今さらではあるが、石山はクローザーの座が「空席」になることを知っていたのかもしれない。
「クローザーが務まりそうな新外国人投手を探す予定。その新外国人投手の実際の投球を見て、高津監督が石山で行くのかどうかを判断するのでしょう。田口麗斗を推す声も聞かれました」(前出・プロ野球解説者)
秋季キャンプ最終日(11月20日)、高津監督はその総括コメントを求められ、「これじゃダメだなと思ったことが収穫」と、厳しく言い放った。
若手中心ではあったが、2回の練習試合を組むなど優勝チームとは思えないタイトスケジュールだった。普通は奮闘した選手たちを褒めるものだが…。
過去、ヤクルトで「シーズン30セーブ」を2度以上記録したリリーバーは、マクガフを含め、4人しかいない。高津監督の厳しいコメントの裏には「守護神不在」の不安もあったのだろう。(スポーツライター・飯山満)