巨人がベネズエラ出身の左腕、ヨハンダー・メンデスの獲得に向けて本格的な調査を開始した。
「先発投手の補強が今オフの課題でした。補強は順調に進んでいるようですね」(スポーツ紙記者)
先に報じられた前ブルージェイズのフォスター・グリフィン、パイレーツからフリーエージェントとなっていたタイラー・ビーディとの契約も時間の問題だという。
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それと入れ替わるように“退団の方向”となったメルセデスについて、こんな評価も聞かれた。
「育成選手として契約し、来日したのが2017年。2年目に支配下を勝ち取りましたが、今季は5勝7敗。不振の原因は、対戦チームに手の内を覚えられたことでしょう。課題だったスタミナ不足も克服できませんでした」
投手出身のプロ野球解説者がそう言う。
しかし、昨年夏の東京五輪でのことだ。ドミニカ共和国代表チームに選ばれていたメルセデスを見たと言って、複数のMLB関係者が興味を示していたのだ。
「東京五輪の野球競技は、近年中の渡米が確実な千賀滉大、鈴木誠也の確認といった感じでした。でも、今すぐメジャーリーグに行っても通用すると思ったのが、メルセデスです」(ア・リーグ中部地区スカウト)
「トーキョー・ジャイアンツとどういう契約になっているんだ?」との声も交錯していた。球速はMLBの平均レベルだが、変化球でもしっかりストライクカウントが取れる。しかも、左の先発タイプである。
「巨人の育成選手だったんだってね? フィールディングが巧いし、牽制球も速い。本人の努力もあったんだろうが、良い指導をしてきたんだと思います」(前出・同)
東京五輪以降、メルセデスをチェックしている米スカウトも多い。このままMLB行きとなるのではないだろうか。
「日本球界を経てMLBに帰還した選手が活躍しています。メルセデスがMLBで成功したら、巨人は外国人選手の育成面でも一目を置かれるでしょう」(米国人ライター)
巨人からMLBに帰還した投手では、2015年からの3年間在籍したマイルズ・マイコラス(カージナルス)が有名だ。しかし、マイコラスは来日前にメジャーリーグデビューは果たしている。素質は周囲も認めていたが、結果に繋がらなかった。来日後に投球スタイルや配球を学び直したのだが、メルセデスは育成出身だ。
とは言え、問題は巨人の方だ。新外国人投手の獲得の目的は、育成ではなく、「戦力補強」だ。調査中のメンデスは、今季メキシカンリーグで「7勝負けナシ、最優秀防御率のタイトルを獲得」と紹介されていたが、
「クイックモーションはほとんどできていない」(前出・米国人ライター)
とのこと。来日後に教えなければならないことも少なくないようだ。
メルセデスを切ったことを後悔しなければいいのだが…。(スポーツライター・飯山満)