「村上はクライマックスシリーズ、日本シリーズと相手チームから厳しくマークされ、調子を落としたまま終わってしまいました。来シーズンに影響しないかとも心配されていました」(プロ野球解説者)
高津臣吾監督も“村上の復調”にひと安心といった心境だろう。
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ヤクルトは球団史上初となる3連覇と、日本一奪回をめざす。しかし、そんな“必勝体制”のヤクルトの戦力補強に他球団が首を傾げていた。
「11月8日、12球団合同トライアウトがありました。主に今オフ、戦力外通告を受けた選手たちが受験するんですが、再出発のチャンスを掴んだ選手も少なくありません。でも、今年は受験選手の判断が難しいと言われていました」(スポーツ紙記者)
「判断が難しい」とされる理由は、「現役ドラフト」にある。
12月9日、初めて現役ドラフトが開催される。出場機会に恵まれない選手を対象に、各球団が2人以上をリストアップし、「1選手を指名すること」が全球団に義務づけられている。リストアップされる選手は年俸5000万円以上。1名だけなら5000万円以上1億円未満の選手を名簿入りさせても良いという。
「そのリストが提出されるのは12月2日、失礼な言い方だけど、戦力外通告された選手より、現役ドラフトのリストに入った選手の方が『上』ってことになりますよね」(前出・同)
トライアウトで興味のある選手がいたとしても、「現役ドラフトを終えてから」と各球団は捉えているわけだ。
しかし、ヤクルトは違う。前中日・三ツ俣大樹内野手、前阪神・尾仲祐哉投手を支配下で、前巨人・沼田翔平投手も育成契約で獲得するという。
「沼田も支配下昇格を前提に獲得したものと思われます。ヤクルトの補強ポイントは、ピッチャーです。一人でも多く補強したいはず。これ以上のケガ人が出たら大変ですよ」
前出のプロ野球解説者がそう懸念していた。
来季の飛躍が期待、いや、“計算に入っていた” 山下輝が秋季キャンプから脱落した。球団は「コンディション不良」としか発表していないが、キャンプ地・愛媛県松山市から帰京させている。
「21年のドラフト1位左腕です。日本シリーズ第5戦でも好投しました。でも、入団前に左前腕尺骨を疲労骨折しているんです」(前出・プロ野球解説者)
それだけではない。右ヒジの故障で22年シーズンを棒に振った奥川恭伸だが、復帰が大幅に遅れそうなのだ。トミー・ジョン手術を受ける方向だと伝えられたが、本人とその関係者が「メスを入れずに治す方法で?」と言っているそうだ。決断が遅れた場合、復帰時期も遅くなる。
ヤクルトは村上が打っても、先発投手の弱体化で苦しむことになりそうだ。(スポーツライター・飯山満)