木村は元SMAPメンバーの中居正広のように、地上波のレギュラー番組は抱えていない。しかし、中居と反してネット配信番組「木村さ~~ん!」(GYAO!)を週1で公開しており、複数社のCMと契約。マクドナルドやアルバイト情報などZ世代をターゲットにしたCMも多いため、ここにきて娘世代といえる10代から20代の好感度が爆上がりだ。
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今年の俳優露出は、4月期の主演連ドラ「未来への10カウント」(テレビ朝日系)だけ。木村にしては珍しい青春スポーツドラマだった。演じた桐沢祥吾はかつてボクシングの日本代表だったが、ケガを理由に断念したあとは、坂道を転げるような自堕落人生を歩んだ。ピザ屋の宅配のアルバイトで食いつないでいたときに、母校のボクシング部のコーチに就任。仲間や高校生たちと一緒に、“人生のリング”に返り咲くさまを描いた。
同作の最終話では、キムタクのサプライズ人事が採用されている。お笑い芸人屈指の木村ファンを自認する兄弟漫才師の土佐兄弟(有輝、卓也)を出演させたのだ。土佐兄弟といえば、TikTok発の大バズリ芸人。若者世代を中心にバズった「高校生あるある」の総再生回数は10億回を突破している。兄弟そろって20年以上の木村ファン。卓也にいたっては、木村に会うために芸能界に入った。「未来への10カウント」を機にボクシングジムに入会している。
そんな熱狂ぶりが番組関係者の耳に入り、最終話を盛り上げるための深夜特番のナビゲーターを任された。ドラマの撮影現場を訪れた2人は、作中で木村が座っている場所に腰を落とし、桐沢が背負っているリュックに触れて大興奮。すると台本上ではなかったが、木村がサプライズで登場した。
「このドラマのどんなところが好きなの?」と聞かれた2人は、緊張しながらも思いの丈を語った。すると木村から、「そんなに好きなら出ちゃえばいいじゃん」と驚きの提案。目の前にいたプロデューサーも快諾して、最終話の出演があっさり決まった。2人は6月9日に放映された最終話で、インターハイ予選会の観客として他校の高校生を演じた。台詞こそなかったが、ほんの数秒でカメラに映った。
神人事ならぬキム人事。“億り芸人”土佐兄弟にとっては、これを上回る名作はもうないか?
(伊藤由華)