まず、新日本は10月4日に11.5大阪大会にて、アンダーソンが保持しているNEVER無差別級選手権試合でヒクレオの挑戦を受けると発表。しかし、11日になり、アンダーソンとギャローズがアメリカWWE RAW大会に電撃参戦。その後、大阪大会と同日となる 11.5WWEサウジアラビア大会へ両選手の出場も発表された。新日本と契約中にWWEマットに登場した外国人選手は、クリス・ジェリコの例があるが、ジェリコはフリーエージェント契約だったため実現したもの。過去に遡ってもハルク・ホーガンがWWE(当時WWF)王者時代に参戦しているが、これも契約上問題がなかったことから実現している。
ギャローズは、動画内において「新日本プロレスが自分を通さなかったせいで、ダブルブッキングになってしまった」とアンダーソンのマネージメントを務めているとされる自身への打診がなかったと主張していたが、新日本によると「新日本プロレスではアンダーソン選手に適正なルート、適正な時期にオファーを行っており、本人から承諾を得た上で、タイトルマッチの発表を行っている」という。
アンダーソンは動画の中で「11月5日の大会には、俺たちは行かない。行くタイミングは俺たちが決める」と来日を拒否する発言を行ったことから、ファンの間では混乱が生じており、今回、新日本が見解を示すこととなったが、新日本は「アンダーソン選手に説得を試みましたが返答がないため、11月5日大阪大会に来日せず、会社側と同意したタイトルマッチを反故にした場合には、会社にNEVER無差別級王座の返上、同ベルトの返還を速やかに行うことを要求いたします」と来日しない場合は王座を剥奪する意向だ。ただ、動画にも映っていたが、ベルトはアンダーソンが保有しており、仮にアンダーソンがフリーエージェントを主張するなら、過去にもあったように、新日本管轄のタイトルを勝手に海外で使われる可能性もある。
新日本は「今回の件に関して、ファンの皆様にご心配、ご迷惑をお掛けしてしまい誠に申し訳ございません」と一連の騒動に関して陳謝したが、これまでWWEは他団体の選手を引き抜く際にも「契約をクリアしてから」という常識を重んじて来ただけに、今回はWWEがビンス・マクマホンからトリプルH体制に移行したこともあり、新日本とWWEの接近を期待させる予兆もあったが、新日本の見解を聞く限りそうではないようだ。
バレットクラブのリーダーであるジェイ・ホワイトは、アンダーソン&ギャローズがWWEに復帰してAJスタイルズとTHE O.C.を再結成したことを歓迎していただけに、この問題はまだ謎が多い。
(どら増田)