五ノ井さんが配属された部隊は「58人のうち女性隊員は5人」しかいない、とりわけ女子が少ない場所だった。「ここの部隊はセクハラパワハラが多いと、女性隊員の先輩からいろいろと教えてもらって」いる前提もあったという。
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いざ入ってみると、胸やお尻の大きさを指摘されたり、卑猥な言葉を投げかけられることが「普通の会話」であり、五ノ井さんは「一般の社会からしたらアウトじゃないですか。私の部隊では当たり前になっていて」と実態を暴露した。
実際に直接的な性被害に遭遇したのは、山の訓練の最中だった。この場では、酒を飲む先輩隊員のためのつまみを後輩隊員が男女問わず作る慣習があった。五ノ井さんは「胸を下着越しに揉まれたり、ほっぺにキスをしたり、抱きつかれたりとか後は何か下半身越しに陰部を触られたりとか、そういう行為がありました」と語った。
さらに、別の長期間の山の訓練の最中では、上司2人が「格闘(技)の話をし始めて、首をキメて倒すとなって、『五ノ井やってみろ』」と自衛隊で用いられている格闘の技を試されたという。それがエスカレートし、五ノ井さんに対し性行為の仕草を試され、周囲が笑っている状況が生まれた。
五ノ井さんは被害を訴えるも、女性幹部も男性上司たちの肩を持つようになり、「ここには味方がいない」と絶望したという。
五ノ井さんは手紙を受け取ったほか、直接謝罪も受けている。非公開で行われたが、その様子を「直接お会いして何度も頭を深く下げていた。土下座されている方もいました」とも語っていた。
これには、ネット上で「五ノ井さん、辛い記憶をしっかりと語っているのが尊敬できる」「聴いていて胸が締め付けられたが、これは絶対に映画化すべき事案」といった声が聞かれた。