報道によると、岡田新監督は来季の継投の構想についての質問に対し、本格的な人選は来春キャンプ・オープン戦を終えてからになると回答。その上で「今は3人じゃ無理。(2007年に)勝ちパターンで藤川に10連投させたけど、(今の時代に)そんなんやったら何言われるか分からない」、「4人、5人(の中)で、1人、2人きょうは休んでとかね。今そんな感じでしょ」と、勝ちパターンは固定ではなく日替わりで起用する旨を口にしたという。
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岡田新監督は第1次政権(2004-2008)時代にジェフ・ウィリアムス氏(現阪神駐米スカウト)、藤川球児氏(現野球解説者)、久保田智之氏(現阪神二軍投手コーチ)の3名からなる勝ちパターン、いわゆる“JFK”を軸としたリリーフ陣を構築。在任5年でAクラス4回(リーグ優勝1回)、Bクラス1回を記録した。
ただ、2007年に藤川氏を10試合連続で起用したり、久保田氏をプロ野球記録となる90試合に登板させたりと主戦リリーフの酷使も目立っており、この影響からかウィリアムス氏(2009年に左肩故障、オフに退団)、久保田氏(2009年に右肩、2014年に右肘を故障し同年限りで引退)ら故障者も頻発。こうした過ちが第2次政権でも繰り返されるのではと心配するファンも少なくなかった。
岡田新監督のコメントを受け、ネット上には「リリーフは柔軟に起用してくれそうでちょっと安心」、「酷使が目立ったあの頃からは確実に成長してる」、「前政権みたいな無茶な継投するんじゃ…って思ってたけど杞憂に終わりそうだな」、「15年前の酷使を反省して今のやり方を取り入れようとしてるのは好感が持てる」、「現チームはJFK級とまではいわんが、いいリリーフは数揃ってるから上手くやりくりしてほしい」といった期待の声が上がった。
多くのファンが“再来”を恐れているリリーフ酷使だが、当時10連投を経験した藤川氏も過去にイベント・インタビューなどで過酷な体験談を語っている。藤川氏によると連投が6試合目を超えたあたりから、試合前練習も満足にできないほど心身両面で強く疲労を感じるように。また、最終盤の9、10連投目では「マウンドに上がった時にはもう大汗でしたからね。『またマウンドに立ってる…』(みたいな心境)」と投球前から既にいっぱいいっぱいの状態だったという。
湯浅京己(59登板・2勝3敗43ホールド・防御率1.09)、浜地真澄(52登板・1勝3敗21ホールド・防御率1.14)、岩崎優(57登板・1勝6敗11ホールド28セーブ・防御率1.96)など、力のあるリリーフを複数擁している現在の阪神。こうしたリリーフ陣を岡田新監督がどう活かしていくのかは今後も要注目といえそうだ。
文 / 柴田雅人