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大相撲、危険な“暴力相撲”が増加? 力士の首が折れかけた一番も、今場所も物議醸す取組頻発

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 9月11〜25日にかけて行われた大相撲9月場所。「13勝2敗」をマークした平幕・玉鷲が、年6場所制定着(1958年)以降では史上最年長となる37歳10カ月での優勝を果たす結果となった。

 横綱・照ノ富士(5勝5敗5休)、大関の御嶽海(4勝11敗)、正代(4勝11敗)ら上位陣が誤算だったこともあり、玉鷲、高安(11勝4敗)、北勝富士(10勝5敗)ら平幕力士が優勝争いの中心だった今場所。下位力士の奮闘はファンを大いに盛り上げる中、一部からは「今場所はやけに取り口が荒い力士が目につくな」といったコメントも見られた。

 相撲では力士の勝敗はそっちのけで取り口が荒く、危険と内容面が問題視される取組は少なからずある。先場所は大関・貴景勝が平幕・琴ノ若相手に顔面張り手・ダメ押しを見せた一番が話題となったが、今場所もこうした物議を醸す取組があった。

 >>大相撲、大関・貴景勝に「みっともない」「失望した」批判相次ぐ 格下相手に顔面張り手・ダメ押し連発、過去対戦の仕返しか<<

 4日目の大関・貴景勝対平幕・琴ノ若戦では、貴景勝が見せた攻めが物議を醸した。貴景勝は立ち合いもろ手突きで琴ノ若に圧力をかけると、左に動きながら顔面に張り手を一発見舞う。さらに、その後も5回以上顔面張り手を連発した。

 これで琴ノ若の体勢がぐらついた隙に懐に潜りこむと、最後は右のど輪で土俵下に押し出し勝利した貴景勝。先場所に続き琴ノ若相手に暴力相撲を見せたが、本人は取組について「あんまり覚えてない」と詳細は語らなかったという。

 6日目の十両・天空海対十両・炎鵬戦では、天空海のつっかけが物議を醸した。立ち合い腰を下ろした両名は天空海が左手、炎鵬が右手を突き呼吸を合わせようとしたが、天空海は炎鵬が左手を地面に置こうと動かした瞬間に立つ。行司は即座に待ったをかけたが、その時点で既に炎鵬の目前まで踏み込んでいた天空海は、勢いのまま思い切りもろ手突きを見舞った。

 ほぼ棒立ちの状態で突かれた炎鵬は、転倒こそしなかったものの土俵下まで後退。炎鵬が土俵上に戻った後、天空海は正面の勝負審判に頭を下げ、つっかけたことを謝罪した。だが炎鵬がバランスを崩し転倒・故障というリスクも低くはなかったといえる。
 
 10日目の十両・千代の国対炎鵬戦では、千代の国が極めて危険な取り口を見せたとしてファンの怒りを買った。千代の国は立ち合いから炎鵬の顔面に張り手やかちあげを連発と荒い相撲を見せると、体勢が崩れた炎鵬をはたこうとする。ただ、炎鵬ははたきに乗じて前に突っ込み、逆に千代の国を土俵外に押し出そうとした。

 すると、千代の国は炎鵬の体を先に地面に落としたかったのか、押し出されて土俵下に落ちる際に、炎鵬の首に左足をかけのしかかろうとする。足はすぐに外れ先に土俵下に転落した千代の国が負けとなったが、炎鵬の首に足をかけたまま転落したなら命に関わる大惨事となった可能性もゼロではなかっただろう。

 「今場所、問題視された暴力相撲の数はここ数年でいうと特段多いわけではありませんが、一昔前に比べると増加傾向にあることは否めないのでは。角界では事前に勝敗を打ち合わせ最低限の動きで取組を終わらせる、いわゆる八百長相撲が一部力士の間で行われていた時代もありましたが、20名以上の力士・親方が角界を去る事態となった2011年の大相撲八百長問題を機に撲滅に至ったとされています。その影響もあり、力士たちは白星を得るためには常に全力を出す、いわゆるガチンコ相撲を行う以外にないわけですが、こうした時代の流れも荒い取組が増えてきている要因の一つでしょう」(相撲ライター)

 相撲は闘志や気合いといったメンタル的な部分も勝敗を左右する大事な要素の一つだが、あまり前面に出し過ぎるのも考えものといえそうだ。

文 / 柴田雅人

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