MLB挑戦を考えている日本人選手は、このニュースを聞いて、こう思ったのではないだろうか。「入団交渉の新たな選択基準が増えた」と――。
「澤村は球宴以降、成績が落ちていました。今回のDFAは当然と見る向きもあれば、タイミングが悪すぎると、暗に編成責任者のチェイム・ブルーム氏を批判する声も聞かれました」(現地メディア)
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澤村がDFAを通告されたのは、8月28日(現地時間)のレイズ戦後。2点ビハインドの6回から登板し、味方の拙守などもあって、3点を奪われてしまった。
試合後、監督室に呼ばれ、アレックス・コーラ監督が非情宣言をしたという。
「翌日からの遠征に備え、荷物をまとめている最中でした」(前出・同)
その時の様子だが、澤村は淡々としていたという。
「結果が全て」の世界であり、その覚悟もあったのだろう。気になるのは、澤村の今後と、チェイム氏への批判だ。
「2020年、同じア・リーグ東部地区のレイズの編成部門で活躍していました。レッドソックスがヘッドハンティングし、編成を任せたんです。レッドソックスではイマイチですが」(米国人ライター)
その2020年のレッドソックスは、地区最下位。翌21年は同率2位と奮闘したが、
「リーグチャンピオンシップで敗退しました。伝統球団なので、ブルーム氏は名誉挽回とはなりませんでした」(前出・同)とのことだ。
今年39歳と若く、未熟な面もあるのかもしれないが、同氏を語る上でよく使われるのが「何を考えているのか、よく分からない」の言葉。今回の澤村へのDFA通告にしても、こんな指摘があるそうだ。
<若手を起用したいのであれば、8月2日のトレード期限直後にベテランをDFAにすべきだった。今さら…>
地元放送局WEEIは若手に切り換える時期ではない、遅きに失したと批判していた。
「澤村は『シーズン50試合登板でプラス査定』の契約でした。49試合でDFAとなったので、ブルーム氏がボーナスを出すのを惜しんだとも言われています」(前出・現地メディア)
澤村は“不思議な数値”も残していた。ホームゲームでの防御率は「5・83」、ビジターは「0・84」。レッドソックスの投手でありながら、本拠地フェンウェイパークが苦手だったのだ。今季後半戦は成績を落としていたものの、「移籍先はすぐに決まる」というのが、米メディアの見方だ。
「選手の人事権を持つ人物が終盤戦にどんな補強・人員整理をするタイプなのか、MLB挑戦を考えている日本人選手は野球に集中するためにも、その人物の性格も知っておいた方が良い」(日本球界関係者)
移籍先がすぐに見つかるからか、古巣の千葉ロッテ、巨人は「澤村DFA」の一報に興味を示していなかった。(スポーツライター・飯山満)
※MLB選手、監督等のカタカナ表記は「メジャーリーグ選手名鑑2022」(廣済堂出版)を参考にしました。