2年ほど前のあり得ない彼氏のお話です。彼とは美容専門学校の同級生。彼は校内で一番のイケメンで、漫画のようにモテていました。そして私も彼のことを好いていました。顔で人を好きになったのは彼が初めてのことです。それくらいカッコよくて、憧れの存在でした。
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私は自分からアプローチしたことがありませんでしたが、後悔したくなかったので、生まれて初めて彼に告白することにしました。恥ずかしいので手紙を渡しただけでしたが、私にはそれが精一杯でした。もちろんダメ元だったので期待はしていなかったのですが、なんと翌日に彼から呼び出しが…。そして、「付き合おう!新人の彼女に任命するよ」と言われたのです。言い回しは少し気になりましたが、普段からジョークの好きな人でしたし、何よりOKしてもらえたことが信じられなくて、喜んで彼女になったのでした。
その後、交際は続いていたのですが、彼はことあるごとに「平社員に昇格だ」「今の君は幹部候補だよ」などと口にしました。なんだかいちいち評価されているようで嫌な気持ちでしたが、嫌われるのが怖くて笑って流すことしかできなかったのです。そんな彼の衝撃の事実が発覚したのは、付き合って9か月ほどが経った時です。
その日、私が彼の家に忘れ物を取りに向かうと、彼の家から一人の女性が出てきたのです。しかも、それは私も知っている専門学校の同級生。私が呆然と立ち尽くしていると、二人が近づいてきて、彼はこう言いました。「この子は幹部だよ。君も早く昇格できるように頑張れ!」。実は彼は、何股もしており、女の子一人一人に肩書きを与えてランク付けしていたのです。
そう言われた女友達もニコニコしてそれを聞いていましたし、彼も全く悪びれる様子がありません。自分が何人とも付き合い、女性を評価することが当然の立場にあるとでも思っているようでした。私は彼達の価値観が全く理解できず、その場で彼にお別れを告げました。彼は全く止めず、「またいつでも歓迎するよ」と…。最後までおかしな人でした。
写真・Steven Lilley