私の元カレには失踪癖がありました。最初の失踪は、初めてのケンカの時です。言い合いの末、彼が家を飛び出しました。もう夜も遅かったので、心配になってすぐに探しに行って連れ戻し、その日は仲直りしました。
しかし、それからというもの、彼はケンカをする度に家を飛び出すようになりました。そしてその時間も、数時間から数日と、数を重ねるごとに伸びていったのです。私も最初こそ探しに行っては、謝ったりなだめたりしていましたが、だんだん面倒くさいと感じるように…。
>>家で飼っている昆虫の交尾をおかずにする男~本当にあった怖い彼氏~<<
そして、ついに別れのきっかけとなる失踪事件が起こります。その時のケンカは確か、彼の嫉妬が原因だったと思います。いつものように言い合いがヒートアップした結果、彼が「もう二度と戻らない」と家を出ていきました。私はまたか…とため息をつき、追いかけることはしませんでした。いつもなら、しばらくしたらちゃんと探しに行くのですが、その時は時間が経っても腹の虫がおさまらず、捜索はしませんでした。
1週間後。彼の失踪時間は最高記録を迎えていました。私も彼も意地になっており、相手の動きを待っている感じでした。事態が動いたきっかけは、彼の両親からの連絡です。その内容は「息子が家に帰れないと言っているので、迎えに来てくれるかな」というもの。まさかご両親から電話が来ると思っていなかったので、さすがに焦って急いで迎えに行きました。その後、連れ戻して話を聞くと、彼はこの1週間実家に戻り、私からの捜索願が出ていないか何度も交番に聞きに行っていたのだそうです。
それを聞いて、私はそんな彼と付き合っていることが急に恥ずかしく思えてきました。自分からは連絡をしないくせに、捜索願が出ていないか聞いて回るなんて、あまりにも子どもっぽく、かまってちゃんな行動です。大の大人がすることではないと思いました。結局、その事件をきっかけにお別れし、今は連絡も取っていません。
写真・Dimo Fedortchenko