所属している新日本は、同日に大阪・大阪城ホールでビッグマッチを開催しており、小島は新日本の選手をセコンドに付けることなく、単身でノアのシリーズに参戦。潮崎と一進一退の前哨戦を行ってきた。新日本では第3世代として、トップ戦線からは一線を引いているように見えるが、小島は日々トレーニングを続けて、自慢の腕をさらに太くしていった。こういうチャンスが来るのを待っていたのだろう。
「すごく強いチャンピオンと対戦して、体がボロボロになってます。対戦してくれた潮崎、ありがとう。こんな対戦相手に恵まれて、本当に幸せなプロレス人生だったと思います。引退するみたいになってますが、まだやらせてください」と言う新チャンピオンの前に現れたのは、今年の新日本1.5東京・東京ドーム大会にノア勢の一員として乗り込み、新日本にケンカを売った金剛のリーダー、拳王だった。
「オイ、小島!ノアは新日本の天下り先じゃねぇんだよ。ここ数年ずっと思ってたぞ。武藤敬司も、藤田和之もそうだ。そのほかにもいっぱいいるだろ。過去の栄光のおこぼれをちょうだいしてるようじゃ、ノアに、サイバーファイトに未来はねぇ。俺が未来を切り開いていってやる。ノアで一番権威あるそのベルト、俺に挑戦させろ」と小島に挑戦表明した拳王に、小島は「拳王、もう少し年長者をいたわれよ。俺はもうすぐ52歳になっちゃうんだよ。オマエのそういうやり方がすごく気に入らねぇ。だから俺とこのベルト懸けて試合しろ。オマエ1度も見たことがねぇんだ。楽しみにしてるよ」と受諾。この日は小島と縁のある武藤敬司が来春の引退を表明したこともあり、「切なさ」も感じたという。
「何年かぶりに、団体の主要なチャンピオンになることができました。挑戦する時はあまりグランドスラムと言われることに意識がありませんでした。いつの間にかそれを意識するようになりました。51を過ぎて、こういうベルトに挑戦する機会を得ることができて、ベルトを獲ることができて感無量です」という小島は「新日本で最前線にいないからって、ノアのレベルが低いとか絶対に言わせたくない。それは闘った俺が断言する。ノア、潮崎、他の選手のレベル、何も新日本に劣ってないから」とシリーズに参戦したことにより、ノアのレベルの高さを肌で感じた様子。また、拳王については「すでにトップにいる拳王とまたこうやって、大きな舞台で対戦することが、俺にとっては幸せなことだと思っています」とコメント。
この結果を受けて、ノアは7.16東京・日本武道館大会で小島と拳王によるGHCヘビー王座戦を決定した。
(どら増田)