各メディアによると、是枝監督は「自分の映画に出た役者が褒められるのが一番うれしい」と笑み。その一方で、「日本の映像産業、映画文化も含めて変えなければいけないところは、明快になってきている」、「日本の映画界全体が危機感を持つべき。もう何年か、このまま行くと手遅れになると個人的には思っています」などと危機的状況であることを指摘したのだ。
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「前作は日仏合作の『真実』。今作は韓国映画でメガホンを取った是枝監督だが、要はオリジナルの邦画を撮っても観客動員で苦戦してしまうから。日本の大手映画会社は内容よりも興行収入至上主義で、そんな風潮を嫌ったため」(映画業界関係者)
現在公開中の作品では「シン・ウルトラマン」がヒット中だが、国民的ヒーロー・ウルトラマンの存在ありきで、観客動員に苦戦するはずがなかった。
3月に授賞式が行われた米アカデミー賞では、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が、2009年の「おくりびと」以来、13年ぶりとなる国際長編映画賞(旧・外国語映画賞)に選ばれたのがひと筋の光明。
昨年の興行収入上位の作品の顔触れは、1位が「シン・エヴァンゲリオン劇場版」、2位が「名探偵コナン 緋色の弾丸」、3位が「竜とそばかすの姫」でいずれもアニメ。
4位は実写だが、活動休止中の人気グループ・嵐のライブフィルム「ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”」。
5位が「東京リベンジャーズ」、6位が「るろうに剣心 最終章 The Final」で実写だが、原作はいずれも人気コミック。
是枝監督の指摘に納得だが、このままだと現状を打開するのは難しそうだ。