阪神の矢野燿大監督が動いた。第3戦に先発登板した桐敷拓馬をリリーフに配置換えする。
「矢野監督は桐敷を高く評価していました」(在阪記者)
開幕3連戦で救援陣の不安が露呈しただけに、信頼の厚いルーキー左腕に託したとも言えなくはない。しかし、悲観的な情報も多く聞かれた。
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「順調に行けば、巨人3連戦の先発投手は、開幕カードのヤクルト戦に投げた3人です。4月1日の初戦は中6日で藤浪晋太郎、2日は2戦目に投げた小川一平。3戦目に先発した桐敷が外れ、ジョー・ガンケルがローテーション入りする予定です」(球界関係者)
ガンケルは腰の張りを訴え、調整が遅れていた。とは言え、昨季9勝を挙げている。「体調が戻れば、先発ローテーションへの復帰は確実」とも見られていた。
「腰の張りは軽症でした。先発ローテーションも、開幕してからの1巡目だけ見送れば、その後はしっかり投げてくれると首脳陣は見ています」(前出・在阪記者)
と言うことは、開幕ローテーションを務めた6人のうちの誰か一人を最初から外すつもりでいたのだろう。
今回、その入れ代わる投手が桐敷であることが判明したわけだが、リリーフ配置換えされた後のモチベーションが心配だ。
また、前回第3戦の“采配ミス”の真意も見えてきた。桐敷は「5回まで1失点」と好投していた。その5回裏の自軍の攻撃は桐敷から始まるので、「ここで、代打。桐敷は交代」と思われたが、そのまま打席へ。続投が裏目に出て失点を増やしたが、
「次の先発はないので勝ち星をプレゼントしてやりたかった」
と、矢野監督は思ったのだろう。
「クローザーを予定して獲得したケラーが良くありません。矢野監督は湯浅京己を代理クローザーに指名しましたが(3月29日)、経験豊富な左腕・岩崎優の負担が大きくなりそう。左の中継ぎ投手がさらに必要となるので、左の桐敷の配置換えは間違いではありません」(前出・球界関係者)
桐敷は新人らしく、「与えられたところでしっかりと結果を」と語っていたが、先発とリリーフでは調整の仕方が違う。キャンプ、オープン戦で「先発要員」として調整してきたので、毎日、肩を作って登板待機するリリーフに適応できるかどうか、心配だ。
「連敗スタートとなり、相手チームが得点を挙げた時点でベンチの雰囲気が暗くなります」(前出・同)
早くも投手陣の配置換えがされたと言うことは、矢野監督の構想は最初から間違っていたとも解釈できる。結果論ではあるが、巨人戦でも頼みの投手が打ち込まれるようなことがあれば、矢野監督の采配に首を傾げる選手も出てくるかもしれない。
伝統的に、阪神は巨人戦に勝ち越すと雰囲気が明るくなる。その逆もしかり。4月1日からの巨人3連戦で今季の命運が決まりそうだ。(スポーツライター・飯山満)