こうした事例は今回ばかりではない。海外に目を移せば、テレビドラマ『マッドメン』への出演などで知られるアメリカの女優ジャニュアリー・ジョーンズが2018年10月に、乳がんの啓発運動で炎上騒ぎを起こしている。
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彼女は自身のインスタグラムのアカウントに、上半身裸で片手で胸を隠す画像をアップし、乳がん検診の日程などを添えた。さらに、画像はハロウィン風に加工されていた。10月が乳がん検診の啓発月間だったため便乗したのだろうが、「単に自撮り写真を載せて胸の大きさをアピールしたかっただけでは」と炎上してしまった。
日本では、2016年から武内直子氏による人気漫画、アニメ作品『美少女戦士セーラームーン』と厚生労働省がコラボし、梅毒などの性感染症(STI)とHIV検査を呼びかけるキャンティーンを展開。ポスターには、主人公の月野うさぎとともに「検査しないとおしおきよ!!」のキャッチコピーも添えられた。このキャンペーンは、性病が増えているとされた若い女性層にターゲットを絞って展開されたようだ。さらに、セーラームーンをあしらった避妊具を無償配布する動きも見られた。
しかし、ネット上では「女性だけ検査に行かせても、性病を感染させる男性の方にも問題があるのでは」「子どもが『セーラームーン』好きだから見せたくない」「そもそもセーラームーンって中学生では」といったツッコミが生じてしまった。
健康啓発活動には、普段は興味がない人にメッセージを届け、動かない人に動いてもらおうとさせるため、インパクトや話題性を先行させる側面があるのは否めない。しかし、あまりにも行き過ぎた表現や言動は、やはり批判や炎上を招いてしまうと言えるだろう。