韓国側に不可解判定が相次いだのは、7日に行われたスピードスケート・ショートトラック男子1000メートル準決勝。韓国は準決勝1組目に出場したファン・デホン選手が組1位、2組目に出場したイ・ジュンソ選手が組2位でそれぞれゴールしたが、レーン変更時に反則があったという理由でどちらも失格処分を受けた。
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各報道によると、両選手の失格により1、2組ともに中国選手が決勝に進んだことから、韓国内では「明らかに中国寄りの判定をしている」と不満が噴出。また、翌8日には韓国選手団が不当な判定で自国選手が失格になったとして、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴すると表明したことも伝えられている。
ただ、4年前に韓国で行われた平昌冬季オリンピックでは、逆に中国側に不可解判定が相次ぐ展開が起こっている。不可解判定が相次いだのは、くしくも同じショートトラックで、当時の報道によると同種目では計8回反則行為の裁定を受けたという。
特に物議を醸したのが、2018年2月13日に行われた男子1000メートル予選、女子500メートル準決勝での失格続出。中国は男子1000メートル予選で2名の選手が他選手を妨害したとしてそれぞれ失格となると、その後行われた女子500メートル準決勝でも2選手が失格となった。
1日に4名の選手が失格という事態を受け、中国版ツイッター「ウェイボー(微博)」上には「韓国が汚い手を使い始めた」、「韓国開催のオリンピックは意味が分からない」と批判が殺到。中には「4年後の北京で見ていろ」と、北京冬季オリンピックでの“意向返し”を望む声も少なくなかったという。
中国にとってスピードスケート・ショートトラック種目は“お家芸”の一つで、2014年ソチオリンピックでは金2個、銀3個、銅1個を獲得している。ただ、平昌五輪では不可解判定の影響も大きかったのか、金1個、銀2個にとどまり、さらに疑惑が深まったようだ。
4年前の遺恨が影響したのかは不明だが、韓国側に不利な判定が相次いでいる今大会。きなくさい雰囲気は20日の大会閉幕まで払しょくされることはなさそうだ。
文 / 柴田雅人