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広島・今村の引退はチーム大改革の序章か 他の3連覇メンバーも危うい? 球団フロントが苦悩する深刻な問題とは

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 「世代交代」をさらに加速させたということだろう。

 広島から戦力外を通告されていた今村猛投手が現役引退を決意した。球団からの発表で明らかになった。関係者によれば、12月22日、今村から鈴木清明本部長に電話があり、そこで引退の意向が伝えられたそうだ。

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 「一部のメディアに対し、今後も野球に携わった仕事をしていきたいと語っていたそうです」(スポーツ紙記者)

 しかし、引退決意の電話報告を教えてくれた先の関係者によれば、今村には戦力外を告げるのと同時に、チームスタッフとしての再雇用も打診したという。今回の本部長宛の電話では改めてその話もされたそうだ。

 また、今村は松田元オーナーにも直接、引退報告の挨拶もしている。こうした経緯からして、第2の人生も「広島カープの今村」として歩んでいくのではないだろうか。

 「今年は大きな転換期にもなったと思います。野手では坂倉、小園、林が成長し、投手陣も先発では玉村、リリーフでは島内、森浦が台頭しました。対照的なのは3連覇を成し遂げた時の主力メンバーです。彼らがシーズンを通して活躍できなくなってきました」

 関西で活躍するプロ野球解説者の総評だ。他の解説者、OBに聞いても、世代交代の加速については否定しないだろう。

 今村は3連覇に大きく貢献したリリーバーだ。2016年は67試合を投げ抜いた。同年の日本シリーズでは6戦全てに登板し、17年は68試合、18年も43試合に起用された。その後は成績を落とし、21年は一軍登板ゼロだったが、今村がいなければ、「強い広島」の再来はなかったと言っていい。

 「広島は支配下で3人のピッチャーを指名しましたが、高校生は一人もいません。即戦力を求めたのはもちろんですが、20代の玉村たちと近い年齢の選手たちで投手陣を再構築しようとしているんでしょう」(前出・プロ野球解説者)

 30歳の今村は、その構想から弾き出されてしまったということか…。

 戦力外通告を受けた10月14日のことだ。今村は「覚悟していたことなんですけど」の言葉を繰り返していた。勤続疲労による衰え、不本意な結果が続き、メンタル的にも行き詰まっていたのかもしれない。

 「21年はコロナ禍に見舞われ、主力選手を欠いたまま交流戦に突入してしまいました。終盤戦の猛追撃があっただけに、コロナ禍によるアクシデントがなければ、優勝争いに加わっていたかもしれません」(前出・同)

 優勝を意識しているのは間違いない。チーム功労者が完全燃焼できなかったのは残念だが、こんな指摘も聞かれた。

 「広島が最も懸念しているのは、来季の観客動員数ですよ。新型コロナウイルス感染防止のための入場者制限が解除されたら、マツダスタジアムを再び満員にできるのかどうか…。近年は若い世代が応援してくれました。でも、彼らは熱しやすくて冷めやすいので」(球界関係者)

 今村はカープ女子たちからも結構人気があった。主砲・鈴木誠也もいなくなる見込みだ。広島はファン層も大きく変わるのではないだろうか。(一部敬称略/スポーツライター・飯山満)

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