その最たるものが、女性版タイガーマスクの誕生だ。佐山と女子プロ界のリビングレジェンドであるジャガー横田が共同作業で送り出したタイガー・クイーンは、「初代のクローン」と言われるにふさわしい華麗かつダイナミックなタイガー殺法でファンを魅了。オールドファンも納得させる闘いぶりで、一躍ストロングスタイルプロレスのエース格に上り詰めた。12.9新宿FACE大会は、有観客では初めての開催となり、今年の集大成となるだろう。
今年のマット界でも大きな話題となった、女性版タイガーマスクの誕生。佐山サトルとジャガー横田の二人三脚によってプロレスのリングに舞い降りたタイガー・クイーンは、デビュー戦1試合でファン、関係者を魅了。7.29後楽園での初戦をいきなりメインイベントとした新間寿会長の慧眼ぶりも健在で、「過激な仕掛人」の面目躍如と言ったところだった。もちろん、周囲の期待にそれ以上の才能で応えたクイーンの実力ぶりがあってこそ。
今回もクイーンの試合は「ダブルメインイベント」の1つとして組まれ、相手にはPURE-Jの前・無差別級王者ライディーン鋼が選ばれた。これは11.13サポーターズマッチでタッグ対戦した鋼のアピールにより実現。この時はジャガー&クイーン組vs鋼&AKARI組のタッグマッチで、初めてタッグを組んだ師弟コンビがPURE-J軍に勝利。最後はクイーンがジャーマンでAKARI(クイーン初の対外国人!)を破ると、収まらない鋼がシングルマッチを申し入れたのである。これにより、クイーンvs鋼の一騎打ちが正式決定。これまでの試合でクイーンは山下りな、佐藤綾子、彩羽匠、伊藤薫と全て異なる相手と対戦してきたが、2度目の顔合わせは鋼が初めてとなる。ライバルとなるには複数回闘うことが最低条件。この試合で鋼がライバル第1号に名乗りを挙げるのか、注目したい。やはりこの試合のポイントとなると、鋼のパワーにクイーンがどう対抗するかという点に絞られるだろう。対パワーでは、伊藤戦で繰り出したジャーマンで実証済み。ジャガーは鋼を飛べる選手でもあることを評価しており、実際、巨体から繰り出すムーンサルトプレスも武器としている。それだけにクイーンには彩羽戦に続く大ピンチと言っても過言ではないだろう。デビュー元年をシングル無敗で乗り切るか、それとも、絶好のアピールの場として乗り込む鋼がクイーンに土をつけ歴史に名を刻むのか注目だ。
(どら増田)