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子ども向けの歌を長時間聞かせられ元受刑者が刑務官らを訴える「残酷で非人道的」刑務官らは辞職

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画像はイメージです

 心地よさを感じる音楽がある一方で、煩わしさを感じる音楽もある。海外では、音楽を何度も聞かせられた元受刑者が刑務官を訴える事件が起きた。

 アメリカ・オクラホマ州で、子ども向けの歌を長時間にわたり聞かせられた元受刑者らが、拷問だったとして刑務官を訴えたと海外ニュースサイト『LADbible』と『The Daily Star』などが11月6日までに報じた。

 報道によると、元受刑者は2019年11月から12月の間に子どもに人気の歌「Baby Shark」を何度も聞かせられたという。「Baby Shark(邦題『サメのかぞく』)」は欧米で著名な童謡で、2016年に韓国の幼児教育関連会社が「Baby Shark」の振り付き動画を多言語で制作してYouTubeで公開し、世界中で話題になった。英語版は公開から半年で1億回再生、11月までに97億回以上再生されている。曲は「ベイビーシャークドゥドゥドゥドゥドゥドゥッ、ベイビーシャークドゥドゥドゥドゥドゥドゥッベイビー…」という歌詞が、同じリズムで何度も続く。

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 訴えた元受刑者の具体的な人数は不明だが、少なくとも4人の元受刑者(それぞれ年齢は不明)が、訴えを起こした。元受刑者らによると、面会室で両手を壁に固定された状態で立たされ、大音量で何度も繰り返し「Baby Shark」を流されたそうだ。音量は大きく、廊下にまで響き渡っていたという。また音楽が流れた具体的な時間は不明だが、『LADbible』によると長時間だったという。

 元受刑者らは出所後、「Baby Shark」を何度も聞かせられたことは「残酷で非人道的であり、過度なストレスを与えられた」として2人の刑務官と刑務所の監督者1人に対して、11月に訴えを起こした。2人の刑務官と刑務所の監督者は、受刑者に対する軽犯罪と、陰謀の罪で起訴されたという。裁判は2022年2月に行われる予定。現在までに刑務官らがどのような意図で「Baby Shark」を流していたのかは明らかになっておらず、嫌がらせの意図があったのかについても認めたという情報はない。

 なお、2人の刑務官は訴えを起こされた後すぐに辞職し、刑務所の監督者も退職しているそうだ。

 このニュースが世界に広がると、ネット上では「音楽を聞かせられただけで訴えるほどのことか」「刑務所なんてもっとひどいことが起こっているのだから歌なんてまだいい方」「元受刑者は訴えを起こして何かを得ようとしただけでは」「Baby Sharkは何度も聞いたことがあるけれど、確かにあれを長い時間聞くのはきつい」「面会室で両手を固定してまで聞かせるとは刑務官は意図的だったはず。訴えられるに値する」などの声が挙がっていた。

 判決は今後明らかになるが、訴えが受理され刑務官らが辞職しているあたり、元受刑者に音楽を聞かせただけといえど、状況は深刻なのかもしれない。

記事内の引用について
「Former Inmates Sue Jailers For Playing Baby Shark Song On Repeat」(LADbible)より
https://www.ladbible.com/news/news-former-inmates-sue-jailers-for-playing-baby-shark-song-on-repeat-20211106
「Disgruntled inmates sue jailers for playing 'Baby Shark' song on repeat」(The Daily Star)より
https://www.dailystar.co.uk/news/world-news/disgruntled-inmates-sue-jailers-playing-25398044

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