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行定勲監督「すでにライバル」若手監督らに対抗心 配信だけでなく劇場公開の重要さを語る

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プライム・ビデオジャパンカントリーマネジャー・児玉隆志氏、行定勲監督、東京国際映画祭プログラミング・ディレクター・市山尚三氏

 「Amazon Prime Videoテイクワン賞」の上映会が10月30日、第34回東京国際映画祭が開催中の東京・日比谷で行われ、審査委員長を務める行定勲監督が登壇した。

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 「Amazon Prime Video」の協賛のもと、日本在住の映画作家の短編作品を表彰する本賞は、今回223本の作品の中から優秀作品を選ぶ。行定監督は審査委員長を務めるが、「(審査委員長に)選出してもらって光栄」と嬉しそうな表情で、「新しい賞ですけど、ここに選ばれた作品は、ここらしい、選出している人がかなり議論しているような、ワクワクするような作品ばかり。そこに参加できるのは嬉しい」と述べる。

 参加者に対しては「すでにライバル」と競合相手と見ているとのこと。「新しい作家たちはほぼプロ。これを取りたいという信念を元に撮っている。クライアントがいる作品と違って、作り手の想いの純度が高いものが多く、僕はもう作れないけど、若手ならではの才能を感じる作品がたくさん。その発掘に立ち会えるのは嬉しい」と話す。

 コロナ禍で劇場を取り巻く環境が厳しいことにも触れ、自身が手がけた映画『劇場』はコロナの影響で、ミニシアターとインターネット配信を同時に行うことになったというエピソードを紹介。「劇場が閉まるのは想像もつかないことだった。困惑する部分もあった。『劇場』の公開にあたっても、この作品を観客が見たいと思った時に見せないと、自分が思った上映と違ったものになる」と危機感を募らせたといい、「Amazon Primeさんに同日の劇場公開を頼んでOKしてもらった」と振り返る。

 その上で、「そうすることが意味のあることだった」と述べ、「劇場でかかることが重要なんです。僕はいつもそれを意識して作っている。スクリーンで見ることと、自分だけの環境で見ることは違う。作り手は見てもらうことが重要。配信プラットフォームの会社と組んで、劇場公開を並行してやれないかと議論することはこれからも必要なこと。劇場で見ることは重要、そして劇場だけでなく、作品の持つ力は配信でも壊れない。それを胸にやっている」と話していた。

(取材・文:名鹿祥史)

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