私が専門学生の時に付き合っていた彼氏は、オリンピックをめざしていました。競技はセーリング。彼はマイナー競技だと言っていましたが、高みをめざす彼氏を誇りに思っていました。そんな彼氏は、自分の手をとても大事にしていて、普段の生活ではケガを防止するため右手は使わないようにしていました。
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確かに、ケガをしたら練習することも試合に出ることもできないので、私も理解を示し、彼の普段の生活のサポートをするようになっていったのです。彼の食事は毎回、栄養バランスを考え手作りし、右手が使えない彼のためにお風呂のサポートや家事全般も私がこなしました。もちろんすごく大変でしたが、頑張る彼氏のために必死でした。
変だな、と思ったのは、彼が私を試合に呼んでくれないことです。「恥ずかしいから」と観戦を毎回断られるのですが、こんなに色々やっているのにと、だんだん不満に思い、彼の試合をこっそり見に行くことにしました。そこで、とんでもない事実を知るのです。
試合を見に行くと、パンフレットを貰うのですが、選手一覧に彼の名前がありません。不思議に思い、チームを覗いてみると、そこにはマネージャーとして働いている彼氏が…。なんと、彼氏はオリンピックをめざすどころか選手ですらなく、そのチームのマネージャーとして働いていたのです。私はその事実に愕然とし、帰宅後に彼を責め立てました。彼は、謝るどころか開き直り、マネージャーでも手は大事なんだと訳の分からないことを言い出す始末。
今まで私のしてきたことはなんだったのかと脱力し、その日のうちに彼氏に別れを告げました。マネージャーも立派な仕事です。それなのに、わざわざ選手であるかのように見栄を張り、彼女に身の回りのサポートをさせる彼氏のふてぶてしさに怒りが収まらない事件でした。
写真・mrhayata