今回の動画で江本氏は、同日に行われ阪神が「5-2」で勝利した阪神対DeNAの一戦について解説。その中で、「1-1」と両チーム同点の7回表にあった矢野監督の采配を問題視した。
>>阪神・佐藤の新打撃フォームは失敗?「差し込まれまくりや」 金村氏が見抜いた問題点を指摘、今後のスランプも予想<<
この回の阪神は佐藤輝明、梅野隆太郎のヒットなどで2死一、三塁となったところで先発投手の伊藤将司に打順が回ったが、矢野監督は伊藤に代打を出さずそのまま打席に立たせる。伊藤はDeNAの先発右腕・大貫晋一から四球を選び出塁したものの、後続の近本光司が遊飛に倒れ三者残塁で無得点。代打を送られなかった伊藤はその後8回まで投げ、「2失点・被安打4」という投球成績で今季6勝目を挙げた。
勝ち越し機に勝負を仕掛けなかった矢野監督に対し、江本氏は「(この場面は)代打かなと思ったけどね」、「(代打を出さなかった理由は)なんなんでしょうね? ベンチの采配というのはこういう時分からない」と発言。野手より打力が劣る投手をそのまま打席に立たせた理由が分からないと疑問を呈した。
江本氏は続けて、「代打でいいの(打てそうな選手)がいなかったんでしょう(か)」とコメント。伊藤の打席では阪神ベンチには9名の野手が残っていたが、矢野監督はどの野手も今ひとつ信頼しきれなかったのかと推測した。
江本氏の発言を受け、ネット上には「状況を考えたら代打せずに続投は別におかしくないだろ」、「伊藤はそれまで省エネ投球だったから、代打を出さずに引っ張るのは間違ってはいない」、「エモやんは明日以降の試合を考慮してないのか? 無闇にリリーフを消耗するわけにもいかないだろう」といった苦言や批判が寄せられている。
一方、「伊藤は直後に失点してるんだから代打見送りは失敗なのでは」、「原口(文仁)を代打に送る方が理に適っていたと思う、代打打率も対右打率も高い方だし」、「結果的に勝ったとはいえ、好機で点を取りにいかないような采配は今後控えてほしい」と同調する声も複数見受けられた。
「伊藤は6回裏終了時点で『1失点・被安打3』と好投しており、球数も67球と非常に少なく抑えていました。また、6連戦の2戦目でいたずらにリリーフを消耗することは避けたい状況でもあったことから、矢野監督が伊藤への代打を見送り続投させたのは間違いではないと考えているファンは多いようです。一方、この場面は代打打率『.281』、対右打率『.389』を誇る代打の切り札・原口がベンチに控えていたこと、伊藤が直後の7回裏にDeNA・オースティンに20号ソロを浴び勝ち越しを許したことなどから、結果的に勝ったとはいえ代打見送り自体は失敗だったとする意見も見られます」(野球ライター)
試合後、矢野監督は代打見送りの理由について「中継ぎ陣もオリンピックがあったり、一旦(自宅に)帰ったりとか、球数が増えていたりとか、いろいろあったんで」と、リリーフ温存を狙ったためと語ったことが伝えられている。伊藤続投によりリリーフ陣は9回を締めたスアレス以外は登板を回避できたが、この結果は今後の戦いにどう影響をもたらすのだろうか。
文 / 柴田雅人