>>コロナで苦境のバドミントン界、チーム経営破綻でフクヒロペアが移籍発表<<
1996年アトランタ五輪から行われている同種目では、これまでにメダルはおろか4強入りもなかった日本勢。しかし、世界ランク5位の渡辺・東野ペアは予選リーグ・グループCを3戦全勝で1位突破すると、28日の準々決勝では同2位のデチャポン・サプシリーペア(タイ)を撃破し日本史上初の4強入りを達成。29日の準決勝では同3位の王懿律・黄東萍ペア(中国)に第1ゲームを先取しながら逆転負けを喫したが、悲願のメダル獲得へ向け3位決定戦に臨んだ。
同13位の鄧俊文・謝影雪ペア(香港)と激突した3位決定戦。渡辺・東野ペアは序盤から積極的に攻勢を仕掛けまず第1ゲームを「21-17」で先取したが、第2ゲームは香港ペアにいきなり3点を奪われるなど劣勢。それでも、粘り強いプレーで点差を縮めデュースに持ち込んだ末、「23-21」で競り合いを制し見事銅メダルを獲得した。
同種目に日本初のメダルをもたらした渡辺・東野ペアの活躍を受け、ネット上には「渡辺・東野ペアよく頑張った! 銅メダルおめでとう!」、「4強入りだけでも十分快挙なのに、メダルまで獲ってくれるなんて最高」、「第2ゲームは最初リードされてて心配だったけど、そこから盛り返して勝ちきったのは素晴らしい」と喜びの声が数多く寄せられている。
また、今大会のバドミントン日本勢は混合ダブルス3位決定戦までに渡辺・東野ペア、山口茜(女子シングルス)以外は全て敗退しメダル獲得もなかったため、「最悪全滅も覚悟してたからホッとした」、「他の日本勢が軒並み苦戦してた分、渡辺・東野ペアの銅メダル獲得は心にしみるな」、「ここまでの嫌な流れを払拭してくれて本当にありがとう」といった安堵の声も複数挙がった。
試合後のインタビューでは渡辺が「東京オリンピックっていう大きな舞台でメダルが獲得できたことは誇りに思います」と喜びをあらわにし、東野は涙ながらに「本当にありがとうしかないです」と支えてくれた人たちへの感謝を口にしている。日本バドミントン界の歴史を変えた両名の戦いぶりは多くのファンに感動をもたらしたことだろう。
文 / 柴田雅人