そんな中、同じようにプライバシーを隠し撮りされたことに果敢に立ち上がったのが歌手の中森明菜だ。
2013年発売の週刊誌『女性セブン』(小学館)に、当時自宅療養中だった彼女の姿が隠し撮りされて掲載されたのだ。これを知った中森は、その出版元である小学館などに約2000万円の損害賠償を求めて訴訟を起こす。結果、小学館側が敗訴。中森側に550万円の支払いをしている。
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また、これは厳密にはパブリシティ権の侵害にまつわる事案だが、深田恭子や綾瀬はるか、前田敦子、大島優子、長谷川京子ら21人の女性芸能人が原告となって訴訟を起こした事例もある。
これは「このムッチリ感がタマらん!」「Xといえば、ムッチリボディ。ダイエットに成功した現在もいいけれど、やっぱりこの時期が最強!」など読者の性的関心を喚起するような際どい表現で、彼女たちの写真を雑誌に無断掲載した出版社に、約2300万円の損害賠償を求めた事案。2013年、東京地裁は出版社に約700万円の支払いを命じ、綾瀬たちは勝利した。
同じように“無断使用”で怒りの声を上げたのは、最近、石橋貴明と離婚して話題の鈴木保奈美。2000年公開の映画『いちげんさん』で大胆なヌードを披露しているが、『週刊現代』(講談社)が上映中のスクリーンから無断でヌードシーンを撮影して掲載。
これに対して、鈴木が当時所属していたホリプロや映画の制作会社が著作権侵害で訴訟を起こしたのだ。2001年、東京地裁は、出版社側に計560万円の支払いをホリプロや制作会社に命じる判決を言い渡している。
だが、こうした案件で告訴しても、裁判になれば長引くし、たとえ勝訴しても、損害賠償の額は上記のように数百万円程度。大半の芸能人は泣き寝入りするケースが多いのが現状のようだ。