ストーンヘンジを構成する岩は現地から遠く離れた場所のものが使われており、どうやって遠隔地から運んだのか分かっていない。そのため、「氷河期に氷河に乗って流され、現地に残された岩を使ったのでは」という説や「石切り場の近くでモニュメントとして使われていた巨石を運んで再利用したのでは」という説が出てきている。
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だが、いずれにせよ分からないのが「どうやって巨石を運び、組み上げたのか」という問題だ。当時の人々が用いていた道具は見つかっておらず、人海戦術で運び、建造するには難しい点が多く、様々な説が出てきていた。
そんな中、歴史愛好家の男性がある装置を使えばストーンヘンジを建造できると主張して注目を集めている。
この説を立ち上げたのは北ウェールズ出身のカーペット職人で、歴史愛好家のスティーブン・タスカー氏。彼が提唱した装置は2枚の楕円形の板の上に、長い板を渡したシーソー。シーソーの下に半円形を2つ並べて脚にし、板を動かすことで巨石を斜面の上まで運ぶことができ、シーソーの原理で巨石を持ち上げたり、立てることも可能だ、というもの。
彼は自分の仮説を検証するため、実際に小型の装置の模型を作って試したところ、300キロ超の物体を持ち上げることに成功したという。模型を使った実証実験が行われたことから、彼の説は信憑性が高いとして専門家からも支持されているという。
彼がこの装置を思いついたのは2004年のこと。休暇でエジプトを訪れシーソーを用いる方法を思いついたという。マンチェスター博物館で英国最大級のエジプト学コレクションの学芸員を務めるキャンベル・プライス博士は、タスカー氏の仮説に感銘を受け、一緒にツアーで講演をしようと誘うほどだった。
この申し出に刺激されたタスカー氏は、自分の工房で装置の研究に挑んだが、途中で行き詰まってしまったという。しかし彼はある日、旧約聖書の「エゼキエル書」の一節からシーソーにとって重要な脚の仕組みを思いついたという。
ストーンヘンジを研究している専門家も、古代遺跡の建造方法に関しタスカー氏の新説が「異なる視点」をもたらしたとコメントしている。
参考記事
Mystery of Stonehenge 'solved' after man recreates ancient 'gravity-defying machine'(dailystar)より
https://www.dailystar.co.uk/news/weird-news/mystery-stonehenge-solved-after-man-24481634