交流戦6試合で、ヒットがなかったゲームは1試合のみ。計8安打で打率.348、ホームランも1本と堂々の成績を残している。リーグ戦での通算打率が.270で、開幕してからの好調からやや失速傾向が見られたが、交流戦に入ってから再び上昇気配を感じさせている。
調子が上向いてきたことを感じたのは、5月27日のオリックス戦だ。4月7日以来となる猛打賞を放ち勝利に貢献すると、翌日には3、4月の月間MVPを獲得したイーグルスのエース格・涌井秀章からもヒット。点の取り合いとなったゲームの中、8回には福山博之の初球を思い切りよく振り抜き「1点差だったので、なんとか塁に出ようと思って打席に向かいました。自分のスイングができました。追加点がとれてうれしいです」と振り返る貴重な一発をレフトスタンドへたたき込み、またもや勝利に貢献した。
見応えがあったのは29日の最終回、ノーアウト満塁の勝ち越しのチャンスでの打席。イーグルス抑えの切り札・松井裕樹との勝負で最速150キロのストレートにフルスイングで対応しながらも、低めのフォークはしっかりと見極める。お互い手に汗握る真っ向勝負を展開し、最後は9球目の高めの149キロストレートの前にバットは空を切ったが、若者同士のプロ野球らしい好勝負を見せてくれた。翌日も同じルーキーの早川隆久から、初打席は三振を喫したものの、2打席目には先頭打者でレフト前ヒットとリベンジ、結果を残した。
ベイスターズはリーグ戦で苦しんだこともあり、交流戦を浮上の足がかりにしようと奮闘中。オープン戦でもオリックス・山本由伸、ファイターズ・上沢直之、イーグルス・田中将大からヒットを連発し、評価をグッと上げた牧秀悟の適応能力に、期待は高まるばかりだ。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘