この事件は昨年7月26日に発生したもので、女が兵庫県宝塚市でボーガンを使った死傷事件を参考にし、殺意を持って夫に発射したことに批判が集まっていた。幸いボーガンの矢は命中せず、命に別条はなかったが、殺傷能力の高いボーガンが簡単に手に入ることに、懸念を示す声も多かったのだ。事件後、夫妻は離婚した。
初公判では、検察側が動機について、女が離婚を切り出したが拒否されたことを挙げ、「夫の収入が安定しないことなどに不満や恨みを持ち、離れるために殺すしかないと考えていた」と指摘する。
そして昨年6月、兵庫県宝塚市でボーガンによる死傷事件が発生したニュースを知り、「ボーガンを使えば確実に殺せると考え、インターネットで家の壁を撃って威力を確認してから犯行に及んだ」と指摘した。
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女は公判で、「間違いありません」と起訴事実を認め、弁護側が「夫に一途に尽くすことに疲れて殺意を抱いた」などと主張する。一方、離婚を切り出されたうえ、ボーガンで頭を撃ち抜こうとされ、首を切りつけられた元夫は「妻の生活を縛るなど恐怖政治を敷いてしまった。もう一度復縁し、再び一緒に暮らしたい」と女への思いを口にし、執行猶予付きの判決を希望した。判決は、21日に出る予定だ。
妻にボーガンで撃たれ、首を刺され殺されかけても「復縁したい」という夫。恋は盲目ということなのだろうか。