「同日、DeNAの三原一晃球団代表が、外国人選手が誰もいない状況でペナントレースに突入するとこぼしています。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響でビザの申請が凍結されており、今後、入国手続きができるようになったとしても、2週間の隔離生活は絶対なので彼らがチームに合流できるのは、もっと先になります」(プロ野球解説者)
隔離期間中も練習ができるのなら、それに越したことはない。
原監督は東京ドームでの主催ゲームが重なった場合も「協力する」と明言していた。と言うことは、関係者とも打ち合わせ済みで、承諾も取れているのだろう。
原監督の「球界全体」を思う気持ちに反対する者はいない。だが、3月8日はDeNAの三原代表の発言以外にも、「今シーズンの行方」を予想させるようなことがほかにも起きていた。そして、原監督が本拠地・東京ドームを提供するとした理由も興味深い。
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ドーム球場と同ホテルだが、実はヒミツの地下通路でつながっている。その存在自体はメディアにも知らされているが、使用は基本的にNG。選手、球団スタッフ以外は利用できないことになっている。
「この通路を使えば、ホテルとドーム球場を行き来する際も『隔離状態』を保てます」(球界関係 者)
“地下ルート”でつながっている話はほかにもあった。
同日、セ・リーグ理事会が開催され、ここで巨人代表者は4度目となる「指名打者制の導入案」(以下=DH制)を提議した。それについては「1対5」で却下されたそうだが、他球団の関係者がこう証言する。
「単にセ・リーグでもDH制を導入しようというものではなく、さらに内容が細分化され、詳細なものになっていました。これからビザを取得する外国人選手の来日時期を分けていて、3月中に入国規制が緩和された場合と、4月以降になった場合、さらに遅れた場合は交流戦を対象にするなど、かなり具体的な提案がされました」
前回3度目の提案同様、4度目も「期間限定」だったという。
「巨人がDH制導入に向けて、本腰を入れていることは分かりました。期間限定でもDH制が導入されたら、いずれ、シーズン全体でもそうなるでしょう」(前出・関係者)
球団の背広組は理事会でDH制を、チームを預かる原監督は遠征先で「合同の隔離調整プラン」を提案。両者の話は、外国人選手の来日遅延の問題で結びついている。
この日、原監督の口からDH制の話は出ていないが、「合同プラン」には他のセ球団も興味を示しているそうだ。
原監督の提案が採用されたら、「もう一度、DH制導入の話を聞いてみようか?」と風向きも変わっていくのではないだろうか。3月22日、臨時理事会の開催が決まった。開幕直前の同日、セ・リーグは“ルール変更”となるかもしれない。(スポーツライター・飯山満)