同戦のリチャードは6回表から三塁の守備で途中出場し、「1打数1安打・死球1」と2打席ともに出塁。しかし、試合後に中継に登場した小久保ヘッドは打撃面の課題や不満を語った。
小久保ヘッドは昨年12月の就任当初から、現役時代の自身と同じ三塁手のリチャードに期待を寄せている。「彼(リチャード)と一番最初に話した課題は(体の)キレ。彼はゆったり、だらっと(バットを)振るタイプで半速球は飛ぶが、速いボールにいかに対応できるかというのはキレ(に左右される)」と、直球への対応が課題と考え指導しているという。
春季キャンプではリチャードの体のキレを鍛えるため、短距離ダッシュやミット打ちといったトレーニングを課していると伝えられている。ただ、「実際対外試合に入ってみると、真っすぐを意識し過ぎて変化球が全然タイミングが取れていない。一番悪い時のパターンになっている」と直球には力み、そのせいで変化球にも対応できていないのが現状だという。
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「(現役時代に)王監督から言われてた『真っすぐを仕留めないとプロじゃない』という原点が、彼にとっては今一番必要かなと思う」と、変化球は多少捨ててでも直球を確実に打ち返すことがリチャードの成長に必要な点だという。「変化球は(2ストライクに)追い込まれたら(打者にとっては)不利だがその前にきた、狙っている球をなぜ仕留められなかったのかというのが(リチャードの)一番の課題。ちょうど昨日もその話をしてた」と、相手がカウントを取りにきた直球にしっかり狙いを定めるよう説いていると語っていた。
小久保ヘッドの発言を受け、ネット上には「今日のリチャードは一応打率10割だったのに手厳しいな」、「最低限結果出したのに注文つけるのか、これくらいで満足してるようではダメだってことか?」、「ヒット打ったとはいっても、打ったのは浮いた半速球で落ちる球には空振りしてたからなあ」、「正三塁手の松田(宣浩)がもう37歳だから、一日でも早く世代交代に目途をつけたいって焦りもあるのかな」、「紅白戦では軽いスイングで一発打ってたから体のキレは増してるはず、だから指示通りに考え方を工夫すれば結果もついてくるのでは」といった反応が多数寄せられている。
昨季は二軍で本塁打(12本)・打点(47打点)の二冠に輝き、この日の練習試合でも結果自体は出しているリチャード。今回の小久保ヘッドの苦言は、一軍の中心選手になれるようさらに成長してほしいという期待の表れなのかもしれない。
文 / 柴田雅人