それは「通行止のお知らせ」から始まるものだった。ごく一般的なものに思えたのだが、「29日午後4時18分より国道40号ばばばばばばえおうぃおい~べべべべべべべべべえべえええべえべべべえ(9.9km)で通行止を実施しています」と、途中に謎の長い文字列が入っていたのだ。
地名の誤記であっても、これまで長く意味不明な文字が打ち込まれるとは考えづらい。ツイートを見た人たちからは「北海道開発局が壊れた」「猫がキーボードに乗った?」などのコメントが寄せられ、数十分で数万リツイートを稼いだ。なお、話題になってからほどなくして問題のツイートは削除されてしまい、現在は有志が記録していたスクリーンショットで確認できるのみとなっている。
この「異常なツイート」の発生について北海道開発局は原因不明であるとして、点検のためにアカウントを一時停止することとなった。
”中の人”も原因が分からないとする中、ツイッターは大いに盛り上がった。リツイートしていた人たちによって問題の区間が国道40号線の豊富幌加IC付近であることが確認されたものの、周囲に工事の予定がないこと、また長さ9.9kmの区間が存在しないこと、区間の終点とみられた「豊富南IC」も存在しないことなどが発覚。
さらに、謎の連投箇所をローマ字入力ではなく、かな入力にしてみると「ば(BA)」が「こち」、「べ(BE)」が「こい」となることが判明。文字化けの部分をかな入力に直してみたところ、「こちらにこい」と読める箇所が出てきたのである。くしくも通行止めとして指定されている区間の近くに心霊スポットもあったことから、霊の仕業ではないかと考える人も出てきた。
>>そのツイート、ちょっと待った!?「落とし物」とSNSを用いた犯罪が横行中!?<<
さらに、ドライバー求人サイト「ドラEVER」が運用する道路情報ツイッターアカウント「ドラEVER道路情報」が同様のツイートを昨年11月5日から数日おきに繰り返していることも判明。はじめは面白がっていた人々も何が起きているのか、と怖がる流れになっていた。
ところが当日午後7時過ぎになって北海道開発局のアカウントは「点検が完了しましたので再開いたします」として復活。通常通りに情報を発信することとなった。
北海道開発局によれば、問題のツイートはサーバー調整中に発生したヒューマンエラーであり、確認作業のため内部向けに作成されていた情報がツイッター上に流れたものだったそう。攻撃や乗っ取り、心霊的なものではなかったとのことで多くの人が胸をなで下ろす結果となった。
(山口敏太郎)
記事内の引用について
北海道開発局の公式ツイッターより https://twitter.com/hkd_kaihatsu