それは「家の前に『奇妙なもの』が落ちている」というもの。そろそろ寒くなってきた季節であるにもかかわらず、クワガタの成虫が玄関前に落ちているとか、すぐ前の道ばたに缶に入ったハムスターが置かれていたなど、普段道ばたで見かけないようなものが落ちている、という現象が相次いでSNSで報告されているのだ。
急に奇妙なものが道ばたに置かれるようになる、というと何かしらオカルト的なことを考えたくもなるが、現実はもっと危ないものかもしれない。実はこの「奇妙な落とし物」、犯罪を行う準備かもしれないのだ。
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近年、SNSの普及により多くの人が身近で起きたことを投稿し、発信するようになった。その日食べたおいしいものや楽しいイベントなど、様々な報告を見ていくのは楽しいものだが、逆にその投稿内容は人によっては悪用されかねない。あまりに身近な出来事をSNS上で報告すると、本人の行動範囲やプライベートな情報が紐づけられてしまい、その人の所在が分かってしまうというのだ。
例えば「近所にできた新しいお店」をSNSで発信すると、お店の住所などの情報から投稿者のだいたいの居所が把握できてしまう。そこで今回注目されているクワガタなどの「奇妙な落とし物」をあえて置くことで、SNSで発信されるのを待つ。そしてSNSで写真などが投稿されるタイミングを見て、住所や不在の時間帯などを特定するというのだ。その後、空き巣などの犯罪を行うという。
ここまでの内容はあくまで「そういう犯罪を行う人がいるかもしれない」「犯罪のために悪用されるかもしれない」という噂であり、注意喚起の一つでしかなかった。だが先日起きたある盗難事件の被害者が、SNSで投稿した時間帯と空き巣に入られた時間帯に関係性があるようだ、と証言していたことから、単なるネットの噂として軽視するべきではないのかもしれない、という意見が広がっている。
情報発信が容易になった現在だからこそ、こういった「身バレ」につながるかもしれない情報には細心の注意を払うべきではないだろうか。
(山口敏太郎)