セでは14日に行われたリーグ理事会で、巨人が投手の負担軽減やチーム強化につながるとして来季のDH制暫定導入を提案したが他球団の反対により見送りに。報道によると1球団は暫定導入に理解を示した一方、他4球団は「来季の編成が既に終わっている」、「継投策などの采配の妙が減る」といった理由で反対したという。
この見送りについて、金村氏は「(普通に考えたら)賛成でしょみんな。あれだけ(セ球団が)日本シリーズでソフトバンクにやられて、原(辰徳)監督なんか今年(のシリーズでのDH制採用に)OK出してる」とコメント。ここ10年でソフトバンクに7度、その他のパ球団にも2度日本一を許している現状を他の球団は本当に理解しているのかと疑問を呈した。
金村氏は続けて、「DH制があると完投能力のある投手が増える、それはもう明らか」とDH制が投手のレベルアップにつながると主張。「(パでは先発が)中6日で投げて、4回までに3、4点取られても代える人(監督)なんかいない。『最後まで行け』、『お前この6日間何してたんや』と(ゲキを飛ばして)もう1回エンジンをかけさせ最後まで投げさせたりとか(しているが)、それはDH制があるからできるわけ」、「セ・リーグやったらバッターボックス回ってくるから負けてても代えざるを得ない。その差はものすごく大きい」と、投球イニングの差もリーグ間の実力差に影響しているのではと推測した。
投手が打席に立つセではパ以上に幅広く継投・代打策をとることができるが、「それを忘れてしまったような監督も多い」という金村氏。具体的な名前は明言しなかったが、今季も「え~!?」、「ヘッドコーチもおるのに何してんねんこいつ」と思うような不可解な継投・代打策を振るった監督が見受けられたと語っていた。
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今回の放送を受け、ネット上には「DH制になれば投手のイニング数だけじゃなく野手の起用機会も増える、なのに他球団は何が嫌で反対してるのだろうか」、「とりあえず一旦試してメリット、デメリットを洗い出して、そこから本格的導入を考えるぐらいはしてもいいのではないか」、「編成の事情もあるしいきなり来季からは無理だろ、せめて数年後からとかにしないと」といった反応が多数寄せられている。
同時に、「DH専門の助っ人とかを獲れる資金力のない球団は不利になるのでは」、「反対球団はコロナ禍で経営が苦しいから、スタメン打者1人分余計に年俸がかさむDH制には及び腰なんだろうな」、「リーグ創設から70年続いている現行制度を『自分たちの時代で変えるのはちょっと…』という思いもあるのかもしれない」と他球団が反対した理由を推測するコメントも複数見受けられた。
パがDH制を導入したのは1975年からだが、同年は前年に比べリーグの平均打率(.247→.254)が下がり、投手の完投数(197個→302個)が増加するなど投打に変化が見られている。セが導入した際にも同様の変化が起こることが見込まれるが、まだまだ議論の余地はあるのかもしれない。
文 / 柴田雅人