澤村は佐野日大高から中大を経て、2010年のドラフト1位で、希望していた巨人に入団。レジェンド故・沢村栄治氏の背番号「14」(永久欠番)を1つ超える言う意味で、「15」を選んだという経緯もあった。2011年に新人王に輝くなど先発として活躍していたが、クローザーに転向すると、2016年には最多セーブのタイトルを獲得するなどチームに貢献した。しかし、2017年にトレーナーのミスから長胸神経麻痺と診断され離脱。2018年は完全復活出来なかったものの、2019年には先発と中継ぎで活躍し、リーグ優勝に貢献。プロ10年目の今年は開幕から安定感に欠いた投球が目立ち、三軍に降格する屈辱を味わっていたところ、シーズン途中にロッテへ電撃トレード。
移籍先のロッテでは、150キロ台をコンスタントに計測する本来の投球を見せ、井口資仁監督は優勝争いを演じるチームで勝ちパターンに澤村を組み込んだ。その結果、22試合の登板で防御率1.71という好成績を残しロッテファンの心を掴むとともに、自身も自信を取り戻すことが出来たと言えるだろう。
澤村選手は「このたびFA権を行使することになりました。これまで数多くの人に恵まれて支えてもらってこの権利を獲ることができました。心より感謝をしています。今回は色々な人と話をした中で思い切って行使をすることにしました。自分の野球人生なので悔いのない選択をしたいと思います」とコメント。ロッテに移籍してなければ決断出来なかったことは澤村自身がいちばん理解しているだけに、残留も視野に入れながら夢であるメジャーへの道を探っていく。
(どら増田)