>>腐乱死体で見つかった身元不明の中年男性、高級下着を穿き大量の虫歯が見つかる不可解な点が【未解決事件ファイル】<<
事件が発生したのは、オレゴン州ポートランドからワシントン州シアトルへ向かっていたボーイング727の機内。午後2時35分に離陸後、「ダン・クーパー」という偽名で航空券を購入していた犯人が突然、客室乗務員に一枚のメモを渡したことから始まった。メモの内容は「爆弾を所持していることと、身代金20万ドルとパラシュート4つの要求」だったという。
脅迫の内容を伝え聞いたパイロットはすぐに管制官に連絡し、最寄りのシアトル・タコマ国際空港に緊急着陸することになった。空港では身代金と引き換えに全乗客と客室乗務員が解放されたが、一人も怪我人はいなかった。その後、午後7時45分に犯人とパイロットを乗せた航空機はシアトルを離陸。犯人の要求により、航空機はネバダ州リノに向かったという。そして午後8時過ぎ、犯人は航空機の昇降用階段を空中で開き、パラシュートを利用して脱出した。航空機には空軍の戦闘機2機が追跡していたものの、視界不良のため犯人の姿は確認できなかったそうだ。これ以降、犯人の姿は確認されていない。
FBIによる捜査は、事件発生から45年の2016年まで続けられた。乗客や客室乗務員は犯人の顔を確認しており、証言から精巧な似顔絵が制作されたものの、結局犯人の行方はおろか、名前の特定すら至らなかった。1980年2月には、ワシントン州郊外のコロンビア川で身代金に使われた紙幣の一部5800ドルが発見された。しかし、周辺に犯人の痕跡は見当たらず、それ以上の進展は見られなかった。
犯人の手際の良さや犯行時の紳士的態度が話題になり、一時は社会現象になったというこの事件。マスコミや市民の間では様々な仮説が提唱され、中には死んだ夫が犯人だと告白する女性も現れた。しかし、根拠は筆跡が似ているというだけで決定的な証拠はなかった。高度1万フィート以上の中、パラシュートを用いた降下は素人には相当難易度が高い。FBIは1000人を超える被疑者を扱ってきたが、事件と結び付く証拠は見つからなかった。高い降下技術を持ち、捜査の目を掻いくぐる術を持つ犯人は一体何者だったのか。