“隠れ酸欠”――。ストレスとマスク着用が引き起こす体への酸素不足は、免疫細胞の働きを弱め、免疫機能全体を弱体化させてしまう恐れをはらんでいるという。
では、コロナ禍ではどうすればいいのか。医師で作家の外岡立人氏が語る。
「われわれがマスクを着けるのは、唾液を飛散させてコロナウイルスを他人にうつさないためです。人と話したり、大声を出したり、そういったことをせず、人に感染させる恐れのないときは、マスクを外しても構わないんですよ」
血液中のヘモグロビンは酸素と結び付き、鮮やかな赤色になる。採血のとき血液が黒ずんでいるのは、ヘモグロビンと結び付く酸素が減っていることが原因とも考えられる。
また、肺の下に位置して呼吸を助ける筋肉の横隔膜が硬くなると、肺が十分に機能せず、呼吸が浅くなってしまう。反対に横隔膜が柔らかくなると、酸素摂取量は40%も増加するという報告もある。
アスリートが取り入れている“横隔膜ほぐし”というエクササイズがある。みぞおちに手を当て、3秒間で鼻から十分息を吸い込み、おなかを膨らませる。手を当てた部分をグッと押しながら体を前に倒す。そのときに10秒間、口から息を吐いて、おなかをへこませる。
こうすることで酸素の供給量が増大し、免疫細胞の働きが活発になるという。1日1回、3セット行うだけで効果があるそうだ。
「ウオーキングは自分のペースで歩くことが基本です。階段の上り下りは自分の体調と相談して、普段の半分くらいのペースでもいい」(前出・外岡氏)
長時間にわたり酸欠状態が続くと、疲れやすくなる上、精神活動にも支障を来す。少なくとも、30分に1回くらいはマスクを外し、大きく深呼吸する必要がありそうだ。