「カメ止め」は、わずか300万円の製作費にもかかわらず、都内の2館での公開後にSNSで評判が広がり、最終的に全国375館に拡大。興行収入31億円を突破していた。
続編は約26分の短編で、上田慎一郎監督が俳優陣と1度も会わず、インターネット会議システム「Zoom」の通話画面や、俳優がスマートフォンで自撮りした画像を編集する完全リモート作業を行い、4月13日の製作発表からわずか18日で完成していた。
「『カメ止め』のキャスト陣とスタッフが再集結。コロナ禍の日本を舞台に、リモートワークで作品を完成させるという、かなりタイムリーな1作となった。主要都市の映画館は閉館で、『おうち時間』を過ごす映画ファンたちは楽しみにしていたはず」(映画担当記者)
気になる視聴再生回数だが、GW明けに30万回を突破したものの、大ヒットと呼べるほどは伸びず。ちなみに、「カメ止め」の予告編の動画は、100万回を突破している。
「もし、『カメ止め』の翌年の続編だったら、かなりの再生回数に達していたのでは。ところが、上田監督が昨年世に送り出した長編映画『スペシャルアクターズ』は公開前こそ話題になったものの、公開後、全国各地の劇場では閑古鳥が鳴き、興行収入は1億円にすら達しなかった。そこですっかり勢いが止まってしまったのが、今回、あまり数字が伸びなかった要因」(映画業界関係者)
「スペシャルアクターズ」は、売れない役者がカルト集団と闘おうとするというストーリーで、「カメ止め」のヒットを受け全国147館の劇場で公開。にもかかわらず残念な結果だったようだが、上田監督にとって時流に乗ったリモート作品での“リベンジ”はならなかったようだ。