上田監督の前作「カメ止め」は昨年6月から東京都内の劇場わずか2館で公開。予算300万円のインディーズ映画ながら、SNSの口コミ効果もあって全国350館以上の公開へと拡大。国内、海外の映画賞を数々受賞し、2018年の邦画興行収入ランキング7位となる31.2億円を記録した。
今作は売れない役者がカルト集団と闘おうとするというストーリーで、主演の大澤数人をはじめ、15人の無名の俳優陣が出演。有給休暇を取得して普段の仕事から抜け出し撮影に臨んでいた現役OLもいたといい、話題になっていた。
公開前からその集客ぶりに注目が集まっていたが、10月19日〜20日の国内映画ランキング(全国週末興行成績・興行通信社提供)ではトップ10入りならず。
ちなみに、同日から同規模の179館で公開された、宗教法人・幸福の科学の大川隆法総裁が製作総指揮と原案を手掛け、出家して話題になった女優の千眼美子が出演する「世界から希望が消えたなら。」は初登場4位に入った。
「関係者が期待した『スペシャル〜』ですが、初日から全国各地の劇場で閑古鳥が鳴いていたようで、公開2週目からはかなり館数を減らされてしまった。前作を模倣したような構成だが、前作はそれまでにない構成が話題になって映画ファンが続々と劇場に足を運んだ。しかし、大手映画サイトのレビューなどで酷評されているのを見て劇場に足を運ぶ気がうせたファンもいるのでは。このままでは前作のようなヒットは難しく、期待外れに終わりそうだ」(映画ライター)
低評価のレビューを見ると、「カメ止めを超えろ、のプレッシャーに負けた」、「駄作」、「予算をかけてじっくりつくってほしい」などの声が。そんな意見の数々は上田監督の次回作への参考になりそうだ。