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朝ドラ『エール』に視聴者が違和感「ないがしろにされすぎてる」 音楽家が主人公なのに音楽を挫折?

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窪田正孝

 NHK連続テレビ小説『エール』の第30話が8日に放送された。

 第30話は、結婚を反対され、さらにイギリスから留学取り消しの手紙が来て、全てを失い絶望した裕一(窪田正孝)が、音(二階堂ふみ)らの説得むなしく一度は権藤家を継ぐ道を決意しかけるも、祖母の八重(三田和代)と茂兵衛(風間杜夫)の話を盗み聞きしたことで、自分が幸せになるために大切なことは何かに気づき、ある決断をする――というストーリーが描かれた。

 しかし、この日も視聴者からは多くの苦言が集まっていた。
 「本作の視聴者が問題視しているのは、音楽要素の圧倒的少なさ。第1話こそ“音楽”がフィーチャーされた異例の作りとなっていましたが、成長した裕一が音楽に夢中になっている姿はあまり描かれず。一度は挫折したとは言え、女性ばかりを追い掛け回し、交響曲も一瞬で作曲。さらには練習せずに完璧な指揮をこなしたりなど、とにかく音楽好きな姿も音楽のために努力する姿も描かれていないことで、視聴者からは、『音楽がテーマなのに、ないがしろにされすぎてる』『裕一の音楽への愛を感じたことがない』という声が集まっています」(ドラマライター)

 また、この点については史実とは異なることもあり、余計に波紋を広げているという。
 「実は、史実では学生時代に家業の呉服店がつぶれてしまったため、卒業後は伯父の銀行に勤務。銀行に勤めながら音楽の勉強を続け、本作では志村けんさんが演じる小山田耕三のモデルとなった山田耕筰や金須嘉之進に学び、その後国際的作曲コンクールで入賞するという流れになっています。しかし、ドラマの裕一はなぜか伯父の養子を強要され、音楽は挫折。銀行にいる間も、仕事も音楽の勉強もせず、一瞬で書き終えた交響曲で国際コンクール入賞を果たすという展開。朝ドラにおいて、ドラマチックにするための史実の改変はあるものの、音楽への情熱を切り捨てるという不可解な演出に視聴者かからは、『史実とフィクションの取捨選択が下手すぎる』『なんで史実通りに音楽の勉強を続けさせなかったのか謎過ぎる』という疑問の声が。視聴者や音楽ファンを困惑させています」(同)

 今話でも家族を捨て、音を選ぶという史実とは異なる展開を見せた『エール』。果たして今後、音楽への情熱はきちんと描かれるのだろうか――。

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