マレーシア・クアラルンプールの小学校で、教室内を四つん這いで這う罰を教師から与えられた女生徒の親が、教師に同じことをさせたと、海外ニュースサイト『New Straits Times』と『SAYS』が2月26日までに報じた。
報道によると、女生徒は教師からのとある指示に従わなかったため、教師は罰として女生徒に四つん這いで教室内を這うように言ったという。女生徒がどのような指示に従わなかったのかは明らかになっていない。
女生徒が親に、教師に四つん這いで教室内を這わせられたと話したことで、女生徒の親は激怒した。翌日、母親は学校に乗り込み、教師に四つん這いで教室内を這うように言ったという。教師は反論せずに母親の指示に従い、教室内を四つん這いで這った。母親は教師が教室内を四つん這いで這っている様子を動画で撮影し、自身のFacebookに投稿したという。
『SAYS』によると、動画は2月21日に投稿され、投稿から3日後の2月24日の時点で180万回以上、再生されていたそうだ。動画が拡散されたことで、学校側には弁護士などから法的措置を取るよう助言が届いたが、『SAYS』は母親と教師は友好的に問題を解決したと伝えている。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「女生徒がどのようなことをしたのかにもよるけど、いずれにせよ体罰は許されない。教師は間違った指導をした」「体罰もいけないけど、学校に乗り込み教師に同じ体罰を与えた母親も問題。父親は母親を止められなかったのか」「復讐をしたこともそうだけど、動画を撮った母親の行動も異常」「親が教師にこんなことしたら、女生徒は学校に居づらくなってしまうのではないか」などの声が挙がっていた。
海外には、子供が体罰を受けたことで教師に復讐した親が他にもいる。
中国・湖南(こなん)省で、当時5歳の女児が当時28歳の幼稚園の女性教師から体罰を受け、体罰を受けたことを知った女児の父親が教師を殴ったと、海外ニュースサイト『South China Morning Post』が2019年11月に報じた。同記事によると、女児が通う幼稚園の廊下には大きなスクリーンがあり、教室内の防犯カメラの映像が映し出されていたという。
父親は娘を幼稚園に送り届けた後、しばらく幼稚園の廊下で防犯カメラの映像を見ていた。防犯カメラの映像を見ていると、教師が女児を殴っている姿が映し出されたそうだ。父親は激怒し、教室内に乗り込んで、教師に殴る蹴るの暴行を加えたという。
騒ぎを聞きつけた他の2人の教師が父親を止め、警察を呼んだ。事件を把握した警察は教師を12日間拘留した後、子供を殴った罪で教師に500元(約7580円)の罰金を科し、父親に対しては7日間拘留した後に、教師を殴った罪で300元(約4550円)の罰金を科した。
親なら子供が傷つけられ腹を立てることはあるかもしれないが、傷つけた相手に復讐していい理由にはならないだろう。
記事内の引用について
「'Teacher makes student crawl, mother makes teacher crawl'」(New Straits Times)より
https://www.nst.com.my/news/nation/2020/02/569278/teacher-makes-student-crawl-mother-makes-teacher-crawl
「Viral Video Shows Mother Allegedly Forcing Teacher To Crawl On Classroom Floor」(SAYS)より
https://says.com/my/news/mother-allegedly-forced-teacher-to-crawl-on-classroom-floor-in-viral-video
「Angry father wins support online after attacking Chinese kindergarten teacher who hit his five-year-old daughter」(South China Morning Post)より
https://www.scmp.com/news/china/society/article/3039265/angry-father-wins-support-online-after-attacking-chinese