『NOAH the sprit 2020』
▽19日 会場非公表(無観客ノアTVマッチ)
プロレスリング・ノアは19日、無観客試合によるTVマッチ『NOAH the sprit 2020』を行った。今大会は、本来であれば東京・後楽園ホールで開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、東京都、会場側からの開催自粛要請があったことから、観客を入れた形の大会を断念。“ノアTVマッチ”として無観客で開催している。
これまでGHCジュニアタッグ王座を獲得するなど、スティンガーのメンバーとして行動をともにしていた小川良成と鈴木鼓太郎。鼓太郎は、3.29後楽園大会で小川が原田大輔を相手にGHCジュニア王座を防衛すると、小川を祝福したと思いきや、襲撃。鼓太郎がGHCジュニア王座への挑戦を実力行使で勝ち取った。これに対して、小川は怒り心頭で、スティンガーの解散を宣言。実に15年ぶりとなるシングル対決が決定した。18日のTVマッチで行われたタッグマッチによる前哨戦では、小川が鼓太郎から勝利を収め、チャンピオン優位のままタイトルマッチへ。
試合は序盤から、小川がベテランならではのグランドテクニックで鼓太郎を翻弄していく。ノアの創業者である故・三沢光晴さんと行動をともにしていた2人なだけに、お互い知り尽くしている関係だが、小川は首に焦点を絞りペースを握らせない。鼓太郎は無駄に動かざるを得なくなり、スタミナを奪われていく。小川がバックドロップを見舞ったところで15分が経過。しかし、3発目のバックドロップを着地するも右膝を痛めたのか悶絶。これに気を許した小川の隙を突いてスクールボーイを決めると、形勢が逆転。鼓太郎は小川張りの“死んだフリ”で、チャンスを狙っていたのだ。だが、小川が簡単に引き下がるわけがなく、再びバックドロップや丸め込み技の数々で切り返す。しかし、ブルーディスティニー3発でダメージを与えると、三沢さん張りのエルボー連打から、ジャベリンを放ち3カウント。鼓太郎が小川を破り新王者に。
試合後、鼓太郎は小川に「もう一度組んでGHCジュニアタッグに挑戦させてください。俺のジュニア2冠(達成)に手を貸してください」と呼び掛けると、GHCジュニアタッグチャンピオンチームのHAYATA&YO-HEYが登場。小川は鼓太郎と握手。王者組も挑戦を認め、小川が鼓太郎にベルトを巻き鼓太郎の勝利を認め先に退場していった。
この日のお披露目が予告されていた、拳王率いるユニット金剛の新メンバー「X」だが、第4試合にラインナップされた潮崎豪、中嶋勝彦、モハメド・ヨネ、谷口周平、原田大輔、岡田欣也との12人タッグマッチを前に、金剛のメンバーと入場した拳王がマイクを握り、「俺たちと運命をともにする男」として呼び込むと、出てきたのは、髪の毛を赤に染めた元W-1の征矢学。征矢が金剛6人目のメンバーとして加わった。試合は28分を超える激闘となったが、GHCヘビー級王者の潮崎をワイルドボンバーでなぎ倒した征矢が、最後は岡田にもワイルドボンバーを見舞って3カウント。ノアマット白星デビューを飾っている。試合後、潮崎と睨み合った征矢が今後のGHCヘビー級戦線に絡んでいくのか注目だ。
(どら増田)