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阪神・藤浪、登板試合での異様な光景 “二軍仕様”のひ弱なメンタル、チームからも愛想を尽かされたか

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藤浪晋太郎

 今季も、藤浪抜きのローテーションとなりそうだ。

 復活を目指す阪神・藤浪晋太郎がオープン戦に登板したのは、2月23日だった(対広島)。2番手として4回裏からのマウンドに立ったが、2連続の押し出しを含む3四死球、2イニングを投げ、被安打3、失点3と大炎上してしまった。試合後、矢野燿大監督は「より実戦に近づけて、やっていかなければならない課題が出た」と奮起を促していたが、表情は曇っていた。

 「次の登板が一軍に残ることができるかどうかのラストチャンス」(在阪記者)

 そんな厳しい意見も聞かれた。

 矢野監督の口から批判的な言葉は出ていない。立ち直ってもらいたいと思っているのは本当だが、「まだ時間が掛かる」とも考えているのではないだろうか。しかし、阪神ベンチはそうは思っていない。この日、藤浪が“構想外”であることが分かった。それも、マウンドではなく、攻守交代でベンチに引き上げる時に…。

 問題のシーンはいくつか見られた。

 藤浪は4回裏からマウンドに上った。広島の4番・鈴木誠也に犠飛を許した直後、ホームベースカバーに回っていた藤浪がマウンドに帰ろうとした。すると、捕手の原口文仁が二言三言、声を掛け、藤浪のお尻をポンポンと叩いた。「気にするな。気持ちを切り換えろ」と伝えたかったのだろう。今度は、後続を抑えてベンチに下がろうとした時だ。大勢の選手が立ち上がって出迎え、「ナイスピッチング」と声を掛ける。しかも、タッチを求めた選手もいて、藤浪もそれに応じていた。

 タッチは好投したピッチャーに対してのみ、行われる行為のはず。藤浪も「下」に見られたものだ。応じた藤浪も悔しいとは思わなかったのだろうか。また、四死球を連発して帰って来た5回も、ドンマイの声や、「次に頑張れよ」を意味する拍手で迎えられていた。

 これでは、藤浪を一軍戦力として見ていないのも同然だ。

 「試合は14失点の大敗です。オープン戦の勝敗は関係ないとはいえ、先取点を挙げてもピッチャーが持ちこたえられない試合展開は問題です」(前出・同)

 球界のご意見番的な年長の解説者が「荒れ球が魅力」と藤浪を評したことがある。同日の試合を見て、こう思った。197センチ、100㎏(公称)の大きな体で、全身を使って投げてくる。他投手よりも体が大きい分、マウンドとバッターボックスの距離が短く感じる。バックネットから見ていても、怖さが伝わってきた。もったいない…。

 「二軍に長くいたせいか、すぐに『ダメだ』と思ってしまうようになった」(ベテラン記者)

 この時点での情報だが、チーム関係者によれば、別メニューで調整させることは考えていないという。その通りならば、課題を克服できるかどうかは、藤浪次第ということになる。失点して温かく迎えるよりも、ガツンと言ってやったほうが本人のためではないか? (スポーツライター・飯山満)

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