『M-1グランプリ2019』(テレビ朝日系)優勝会見では、戸惑うばかりで、今後のテレビでの活躍が心配されていたミルクボーイ。しかし、現在バラエティー番組1周中の彼らは、どの番組でもしっかり笑いを取って、結果を出し続けている。これは、昨年覇者の霜降り明星、一昨年優勝のとろサーモンなども同じことが言えるだろう。
「一方で、苦戦しているのが『キングオブコント』(TBS系)優勝芸人たちです。どぶろっく、ハナコ、ライスなどは、トークに苦戦。M-1王者と比べてキャラクターを発揮できないままでいます。ハナコ・岡部や菊田らがフィーチャーされることもありますが、『M-1』王者と比べれば、まだまだと言っていいでしょう。ちなみに、2017年チャンピオンのかまいたちは『M-1』にも出て、準優勝の結果(2019年)を残しています。番組では、抜群のトーク力も発揮していて、今後も安泰です」(芸能ライター)
同じ賞レース王者であるのに、漫才組とコント組でははっきり活躍の差が出てしまう。なぜ、このような現象が起きるのだろうか? 秋に放送される『キングオブコント』と年末に放送される『M-1』の時期が近く、『キングオブコント』の王者がバラエティーを1周する前に『M-1』王者が現れてしまうため、新鮮さがなくなってしまうハンデはある。しかし、それ以外にも理由があるというのだ。
「漫才は、仁(にん)と呼ばれる、芸人のもともとの性格や人柄がネタに出やすいですが、コントのネタ作りは設定や世界観を作っていく作業のため、人柄が出にくく、バラエティーにも反映しにくいのです」(同上)
先日放送された『太田松之丞』(テレビ朝日系)にて、爆笑問題・太田光は、デビュー当時、コントをしていたものの、漫才に転向した理由を語っている。太田は、キャラクターに入ってコントをしていたため、MCになった時に、何も言えなかったと回顧。「これじゃタレントとして無理だと思ったから、(漫才で)地で喋るようにした」と振り返った。このように、太田もコント師としてのジレンマに悩まされていたのだ。
『キングオブコント』過去王者の東京03やシソンヌは、ネタで食べていけるような仕組みを作り、彼らだけにしかできないお金の生み出し方で人気を獲得。その人気がフィーチャーされて、再びバラエティーにも出演するようになった。ネタだけではなく、テレビの世界で活躍したいのならば、コント師も何かしらの手を打たなければいけないようだ。