雄琴は琵琶湖や比叡山観光の玄関口な上、旅館、ホテルの規模や宿泊料金が手頃な設定になっていることも人気の1つのようだ。
年配の方にとって雄琴といえば、どうしてもソープランドのメッカというイメージがある。だが、本来は比叡山開山の祖・伝教大師最澄が開いたとされる歴史ある温泉地だ。しかし、昭和40年代、湖畔にソープ街が出現して以降は歓楽街と化し“男性天国”のイメージが定着、温泉旅館の影は薄くなっていた。
これに危機感を持った地元の旅館組合は、若手経営者が中心となって観光キャンペーンを展開し、料理と美容中心のコースで女性客の誘致や、比叡山観光とのタイアップなどで新規開拓とイメージ回復に努めた。2008年にはJR西日本へ申し入れて、JR湖西線の雄琴の駅名を「おごと温泉」に改称している。
「外国人には雄琴=ソープというイメージがありません。そやから京都や奈良にも近い、温泉があって料理も旨いという雄琴本来の魅力を素直に評価してくれているのが何よりですわ。このチャンスを逃さない手はありません」(旅館関係者)
温泉旅館側はこの機会に男性天国とは別の、温泉地本来の魅力を打ち出して日本人観光客を含めて、さらなる集客アップにつなげたい考えだ。
一方、琵琶湖畔のソープ街はどう見ているのか?
「昔はお客さんを紹介し合ったりで、ええ関係やったんですよ。今はいろいろうるさくて、積極的にタイアップとはいきません。それに基本的に外国人NGの店が多いから、インバウンドの客が増えても直接の影響はないでしょう。温泉旅館がにぎやかになるのはこちらにとってもプラス要因です」(ソープランド経営者)
ウィンウィンの関係か。