メーンイベントを弟・大毅に譲って、先陣を斬った長男・興毅とマリオ・マシアスのWBA世界バンタム級タイトルマッチは、平均10.2%(以下、数字は関東地区)、瞬間最高が15.1%だった。前回の興毅の防衛戦(8・31日本武道館)の視聴率は16.7%で大きくダウン。ここ最近の興毅の世界戦の視聴率は13.8%、13.9%、そして前回の16.7%で、ワースト記録となった。ただ、平日の午後7時からの試合とあって、これまでと同等に比べるわけにもいかないだろう。
一方、三男・和毅の試合の録画放送をはさんで、午後8時12分頃から放送されたメーンイベントの大毅対テーパリット・ゴーキャットジム(タイ)のWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチは、平均14.7%、瞬間最高は判定結果が出た直後の20.3%。視聴率だけを見れば、大毅が兄・興毅を上回ったが、放送時間帯の違いもあり、一概に比較はできないだろう。
この日は、フジテレビ系列が人気歌手を総結集させた「2011 FNS歌謡祭」(午後7時から11時18分)を同時間帯で放送。こちらは平均19.9%の好視聴率をマークした。日本テレビ系列の「笑ってコラえて! 吹奏楽部の感動旅完結編、汗と涙と友情SP」(午後7時から8時54分)も15.9%を記録した。
強力な裏番組を敵に回しての、この数字はまずまず。TBS関係者は「各局の裏番組が強い中、この数字は十分な数字。大毅対テーパリット戦が手に汗握る素晴らしい試合をしたことが、この数字につながった」と評価した。むろん、“特別参戦”を果たした橋下徹新大阪市長、松井一郎新大阪府知事、はるな愛、misonoらが、少なからず視聴率獲得に貢献したのは事実だろう。
ボクシングの場合、いい試合をすれば好視聴率が取れるという簡単なものではないが、負けたものの打たれても前に出続けた大毅の気迫が、視聴者の目を引き付けたのは確かかもしれない。
(落合一郎)