「オレの手で取り返す!」。ついに真打ちのお出ましだ。
外敵王者の武藤と新日トップヒール真壁のIWGP戦。本部席から観戦した中邑は、「どっちが勝っても次はオレが挑戦する」とハラをくくっていた。試合は武藤に軍配。自らが4月にベルト流出を許した因縁の相手に目の前でV3を達成され、試合後は居ても立ってもいられなかった。
すぐさまリングに駆け上がり「武藤さん、次はオレが行かせてもらいますよ」と次期挑戦に名乗りをあげ、武藤とガッチリ握手した。同社の菅林直樹社長も「彼に行ってもらう」と断。きょう22日に会見を開き、10・13両国大会で武藤VS中邑の次期IWGP戦開催を正式発表することを明らかにした。
あの忌まわしきベルト流出劇から約半年でリベンジの舞台にこぎつけた中邑。だが、その道のりは決して平坦なものではなかった。再起を誓った真夏の祭典G1では、予選リーグ開幕からスタートダッシュを決めるも、最後の最後で同じRISEの後藤に敗れて決勝進出を逃した。
そのG1を優勝した後藤洋央紀が、8・31全日本プロレスの両国国技館大会に殴り込み。返り討ちにあった際にも、その光景をセコンドで目の当たりにした。それだけにベルト奪還への思いは人一倍強い。「前回(4月の王座流出)から武藤敬司を頭に叩き込んできた。ベルトを失ったリベンジ、早く僕が取り返さなきゃいけない」。
中邑といえば、過去にもベルト問題を解決してきた。2006年にIWGP3代目ベルトを持ち逃げされた一件も、今年2月にIWGPヘビーの2代目と3代目ベルトを懸けた王座統一戦を行って見事勝利。世界最強戦士カート・アングルとの熱戦を制して難題に終止符を打った。それだけに、今回のベルト奪還にも「チャンピオンベルトを取り戻せるのは彼しかないない」(菅林社長)と大きな期待がかかる。
10・13両国大会で行われる武藤VS中邑の大一番。果たして選ばれし救世主は自らの手で至宝を奪還することができるのか。