古代中国では奇数の事を陽といい、陽の極数(一番大きい数)である9は神聖視され、重陽の節句はその9が2つもあるという事で、それだけ‘めでたい’と言うわけです!! 9月9日は花が邪気を払い長寿に効くと信じられていたところから菊の花びらを浮かべた菊酒を飲むなど、宮中では風情を楽しんでいたんですって! 日本には平安時代の初めに伝わり、宮中では観菊の宴が催されたとか!
他に陽の奇数が重なるめでたい日として1月1日の正月、3月3日の桃の節句、5月5日の端午(菖蒲)の節句、7月7日の七夕(笹)の節句…皆さんお馴染みの五節句があがりますよね。ただお正月はおめでたいけど五節句には入らず、1月7日‘七種(ななくさ)節句’が入れられています。
お気付きかと思いますが、五節句にはどれも植物の名前が付いていますよね? 節目の季節に力強く生える植物に邪気を祓う力があるとされ、食べたり香りを吸ったり湯に入れたり…、その生命力を取り入れて健康を願うんです。
それにしても9月9日‘重陽の節句’はあまり世に知られていないというか、馴染みの薄い節句!ですよね…なんでも明治時代以降この風習が廃れていき、今では菊花の品評会が行われる程度になってしまったんだそう。というのも長寿を祝う行事としては、日本では9月19日の‘敬老の日’がありますしね。
ま〜、どちらも高齢者を敬愛し健康と長寿を願うという意味では同じ!! 今旬の‘菊’を日本酒と上手に美味しく摂取し、厳しい残暑を乗り切りましょう!
有名なのは、菊の花びらを浸した水で仕込みをする‘加賀の菊酒’が石川県白山市で造られています。菊姫の大吟醸酒‘菊理姫(くくりひめ)’がお薦めですが、基本どれも値を張る高級酒でして中々気軽には手が出せない凄物。
ただ、重陽の節句に発売される菊姫‘純米冷やおろし’720mlはお手頃価格で味わえますので、是非この機会にお試し下さい。お薦めです!
菊酒を手作りしちゃうのもGood!! 日本酒に菊花を一晩浸せば、菊の香りが程よく日本酒に移り、完成〜!
菊の花びらを浮かばせて風情を楽しんでください。
‘加賀の菊酒’大吟醸酒‘菊理姫(くくりひめ)’
http://www.kikuhime.co.jp/index.html