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岐阜に封印された古代の女神が昭和の妖怪・口裂け女の正体だった!?

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 昭和の頃、日本中の子供たちを恐怖に陥れ、大人たちも巻き込み、各地で警察の出動騒動を引き起こした「口裂け女」について論考したい。

 この頃、岐阜の各地では口の裂けた女の妖怪の目撃談が噂されていた。その発生場所については、複数の説がある。大垣市とも岐阜市とも言われている中で、有力な仮説のひとつが「岐阜市金華山・鶯谷トンネル発生説」である。

 この金華山・鶯谷トンネルは、もともと心霊スポットとして知られていた。地元の飲食店オーナーH氏の話によると「この町外れで口の裂けた女の幽霊がタクシーを拾い、このトンネルで降りた後、消えてしまう」という話が流れていたという。

 金華山はかつて戦国大名の斉藤家が名城を築いた天然の要塞。織田信長が岐阜城として拠点にし『天下布武』という名文句が唱えられた場所でもある。信長はなぜの山にこだわったのか、何の目的でこの城を岐阜と名付けたのであろうか。口裂け女と信長をつなぐ「金華山」というポイントが筆者としては気になって仕方がない。

 金華山の裏鬼門に降臨した現代妖怪・口裂け女の正体は何なのだろうか。鶯谷トンネル戦災被害者の霊にしては、あまりにも小物すぎないだろうか。日本中を席巻した大妖怪は、必ず神々の地位から没落した”零落神”のような存在であるはずなのだ。

 金華山の地図を見ていて気がついたのだが、この山には、さまざまな霊を生み出す岩戸がまつられている。岩戸と言えば、アマテラスの岩戸隠れの神話に由来する神社である。信長が金華山にこだわった理由はこの「岩戸」にあったのではないかと筆者は踏んでいる。つまり、信長が天下布武に使ったのは、この岩戸パワーなのではないかと推測しているのだ。だからこそ、あそこまで飛躍的に勢力を伸ばすことができたのだろう。

 さらに、興味深いことがある。岩戸神話に関係する神々が周囲に祀られているのだ。まず岩戸をこじ開けた手力雄をまつった「手力雄神社」が確認できる。また、踊りでアマテラスの注意をひきつけたアマノウズメの夫である猿田彦も猿田彦岩戸神社にまつられている。だが、肝心のアマノウズメがいないのだ。

 アマノウズメはどこに行ったのか。あまりにも大胆な仮説ではあるが、筆者はこのアマノウズメこそが口裂け女になったのではないかと推理している。日本最古の歴史書『古事記』にアメノウズメに関する興味深い逸話が記録されている。天孫降臨の際、魚たちを集め「ニニギに仕えるか」と問うたとき、なぜかナマコだけが答えなかった。そこで、怒ったアメノウズメは小刀でナマコの口を裂いたと記述されているのだ。ナマコの口を刃物で割く女神・アマノウズメ。彼女こそが口裂け女に零落した古代の神なのではないのだろうか。

(山口敏太郎)

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