今回発端となっているのは、とあるファンがツイッター上に投稿した4枚の写真。地元局の番組のスクリーンショットと思われるこれらの写真には、球場から引き上げる根尾とそれを迎える出待ちファンが写し出されている。
球団関係者先導の元、バスへ向かっていく根尾。すると、一瞬の隙を狙った一部ファンが、規制線から身を乗り出して根尾の右腕に接触。また、写真内ではこの他にも数名が、根尾に接触を試みるため腕を伸ばしていた。
選手の商売道具である身体に、一部ファンが何のためらいもなく接触したという今回の一件。これを受けたネット上には、「触りに行く奴は一体何考えてんだ」、「非常識としか言いようがない」、「もう出待ちなんか排除しろ」といった怒りのコメントが数多く寄せられている。
また、中には「そもそも触れるような距離なのがおかしい」、「規制するならもっと距離開けとけよ」、「松坂の一件から何も学んでない」といった球団側への批判も。選手を守るための管理体制に、甘さを感じている人も少なくないようだ。
先月12日配信記事でも取り上げたが、中日はキャンプ中に看板選手の一人である松坂大輔を、一部の過剰接触によって“破壊”された。これにより無用な怪我を負ってしまった松坂は、現在も戦線離脱を強いられている。
不幸中の幸いで、今回の根尾は松坂の二の舞にはならずに済んだ。しかし、あの悲劇からわずか1か月での“再発”は、到底見過ごしていいものではないだろう。
「二度あることは三度ある」とはよく言うが、このまま何も手を打たなければ、近い将来再び誰かが被害を被ってしまうことは想像に難くない。そのような事態が起こる前に、球団側はより踏み込んだ対応を取ってもいいのではないだろうか。
文 / 柴田雅人