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格闘技界の“レインメーカー”那須川天心、井岡一翔を倒した男にKO勝利! “二刀流”目指す小笠原瑛作が対戦熱望【2.12KNOCK OUT vol.1詳報】

 “肘あり”のキックボクシングイベント『KNOCK OUT vol.1』が12日、大田区総合体育館で開催された。

 セミファイナルでは、格闘技界の“レインメーカー”の呼び声高い“神童”那須川天心(TARGET)が、2014年5月7日ボディーメーカーコロシアム大阪で行われた、プロボクシングIBF世界フライ級王座戦で、挑戦者の井岡一翔を相手に判定勝ちを収めた、元同級王者アムナット・ルエンロンと対戦。4Rにラッシュをかけた那須川は、プロボクシングの元世界王者をパンチで沈め、見事KO勝ちを収めた。試合後、那須川は「相手のペースに合わせてしまった」ことを反省点として「きょうは50点」と厳しい自己採点をしたが、「パンチで倒せて良かった」と安堵の表情を浮かべていた。昨年末には総合格闘技イベント『RIZIN』に出場。MMA(総合格闘技)ルールに挑戦し2連勝を飾るなど、プロ転向後の不敗神話を更新中。勝利した後に披露するKOポーズも浸透してきており、今年の格闘界は那須川を中心に回ることになりそうだ。

 昨年12月に旗揚げした『KNOCK OUT』だが、2度目となる今大会も約3000人の観衆を集め、会場は熱気に包まれていた。オープニングマッチでは、イケメンファイター“WONDER BIRD”不可思(クロスポイント吉祥寺)が、“クレイジーピエロ”山口裕人(山口道場/INNOVATION)との打ち合いを制しKO勝ち。試合後、不可思は「KNOCK OUTの中心になりたい。判定で勝ったり、身内だけ喜ぶような勝ち方はしたくない」とKO勝利へのこだわりを語った。

 今回の大会で一番盛り上がったのは、100人を超える大応援団の声援をバックに、“野良犬2世”森井洋介(GOLDEN GLOBE)に挑んだ、“逆境スピリット”村田裕俊(八王子FSG)の試合。「あれだけ声援を送られたら倒れるわけにいかなかった」という村田は、キャリア豊富な森井相手に引き分けに持ち込む大健闘。森井も「3Rから勝負をかけたが倒しきれなかった」と悔しさを滲ませた。DJ.taikiの欠場により急遽出場した“マッドピエロ”山口侑馬(山口道場)は、知名度で勝る“居合いパンチャー”町田光(橋本道場)を相手にほぼ何もさせず3R・1分でKO勝ち。山口は「とにかく有名になりたい。僕はまだ知名度がないですけど、名前より遥かに強いんです」とバックステージで吠えた。

 メインイベントは“KING”梅野源治(PHOENIX)が、“アバンサール”ワンマリオ・ゲーオサムリット(ゲーオサムリットジム)と対戦し判定勝ち。梅野は「僕はKOが正義だとは思わない」と他の選手とは異なる発言をした上で「テクニックが好きな人には楽しめる試合だったと思う。僕はKOもできる、判定でも面白いというように、お客さんにいろんな楽しみ方を教える試合をしていきたい」と持論を展開した。

 次回大会は4月1日に大田区総合体育館で開催されるが、那須川天心は出場しない。そんな中、那須川との対戦を熱望したのが、第2試合に出場した“SPEED ACTOR”小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)だ。小笠原は“SPEED ACTOR”の異名通り、キックボクサーと俳優の“二刀流”を目指す注目の選手。今大会では“ニューウェーブサウスポー”波賀宙也(立川KBA)を相手に、2R・1分13秒、小笠原の打撃による負傷によりTKO勝ちを収めている。試合後に小笠原は「少し消化不良だった」としながらも、『KNOCK OUT』のリングで闘いたい相手として那須川天心を指名した。今大会の出場選手の中で那須川を指名したのは小笠原だけだ。「僕はリングも作品だと思っているんですよ。天心もいろんな凄い選手とやってるじゃないですか。だから僕もいろんな選手とやって、良いタイミングで、天心と試合ができるようにしていきたい。タイミングは大事ですからね」こう話す小笠原の頭の中には既に那須川戦へ向けた物語(ストーリー)が描かれているのかもしれない。関係者の話によると小笠原は『KNOCK OUT』に継続参戦するもよう。那須川戦実現へ向けた今後の闘いに期待したい。

 全試合終了後に大会を総括した小野寺力大会プロデューサーは、次回大会からライト級王座決定トーナメントを開催することと、那須川欠場を補う“大物X”と交渉中であることを明らかにした。勝負論が最重視される格闘技において「お客さんを楽しませた上で勝つ」と参加選手が口を揃えて話していたのが印象的だった。かつての格闘技ブームは、桜庭和志を筆頭に勝負論に観客論を加味した選手が牽引したことで発生しただけに、今大会でも見られた派手な演出面も含めて『KNOCK OUT』に対する期待値は大きい。『RIZIN』とは違う意味で今年見逃せないイベントである。

取材・写真/どら増田

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