注目の現役金メダリストがいよいよ闘うリングを決断する。
3日にプロ転向表明して以後、DREAMと戦極の国内2大メジャー団体による石井争奪戦が表面化していたが、この日ようやく本人が現状を説明した。自著の出版を記念した握手会後に「どのリングに上がるのか、来週ぐらいには闘う場所と契約したい」「せめて今月中くらいには決めて報告したい」と今月末をめどに参戦団体を発表することを明らかにした。
そればかりか、会見では実際にイベント名も口にした。「格闘技界にはK-1、DREAM、戦極、UFCと闘うリングがある」と言及。いわゆるFEG系の「K-1」「DREAM」と「戦極」の国内2団体、そして米国のUFCという3つの選択肢を掲げた。
すでに参戦ラブコールを受けている国内2大メジャーに海外挑戦と、どのリングに立ってもおかしくないが、これら3つの選択肢は石井にとってメリットとデメリットがある。
まず転向前から最有力とされるFEG系なら、憧れのエメリヤーエンコ・ヒョードルとのパイプがあり、それこそ大みそか「Dynamite!!」での夢共演も考えられる。
また、戦極は柔道出身のMMAファイターが多く所属する吉田道場が受け皿なのが強み。UFCとなれば、自著を読んで欲しい選手として名前をあげたブロック・レスナーやアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラら世界屈指のヘビー級トップ戦士がいるほか、本紙既報(11日発行号)のように、来年秋に開催予定のUFC日本大会でデビューすることもあり得る。実力が最優先するマットだけに、負ければすぐに“ポイ捨て”されかねないリスクもある。
この日の会見ではK-1のチェ・ホンマンから対戦要求されたことにも呼応した。石井は「自分は総合格闘技では白帯。偉そうなことは言えない」としながら、「自分に興味を持ってもらえてうれしい。ぜひともやりたい」と色気を見せた。
「いまはグチャグチャした状態を突貫工事している状況」と石井。MMA界のみならず、世間の注目を浴びる男はどのリングに上がるのか、その決断のときが刻一刻と迫っている。
○北島に対抗心
石井VS北島!?
北京五輪金メダル獲得後に発した「屁の突っ張りでもないですから」が新語・流行語大賞(12月1日発表)の候補になった石井は、北京五輪の水泳金メダリスト北島康介に敵対心をむき出し。
同じく流行語候補にノミネートされた北島の「何も言えねぇ」をライバル視し、「こっちが何も言えねぇを使って、何も言えねぇ潰しをしないと」と宣戦布告する一幕もあった。
“舌好調”の石井は「好きな女性は杉本彩さん。いろいろ教えてほしい」と“石井節”をサク裂させた。